熱中症のニュースを見るたびに、うちの仕事の意味を考えてしまう話

熱中症のニュースを見るたびに、うちの仕事の意味を考えてしまう話

お盆直前のこの時期、テレビをつけると毎日のように「今日も全国各地で猛暑日」「熱中症で救急搬送」というニュースが流れてきます。正直、毎年この時期になると同じような見出しを見ている気がするんですけど、今年はなんだか例年よりニュースの本数自体が多い気がしていて。うちみたいな仕事をしていると、こういうニュースをただの「世間の話題」として見過ごせないんですよね。今日はちょっと柄にもなく、そのあたりで最近考えていることを書いてみようと思います。

目次

「過去最多」という数字の裏側で、うちの電話が鳴っている

熱中症の搬送者数のニュースって、数字だけ見るとどこか他人事に感じてしまいがちだと思うんです。でも、うちに毎日かかってくる電話の内容と照らし合わせると、その数字の裏側がなんとなく見えてくるところがあります。特に多いのが、ご高齢の方が住むご実家からの「エアコンが効かなくなって、もう何日か我慢していた」という連絡です。

これ、うちだけの傾向じゃないと思うんですけど、壊れてすぐ連絡してくださる方って実は少数派なんですよね。「そのうち直るかも」「そこまで暑くないから大丈夫」と思っているうちに、気づいたら室内が危険な温度になっている。ご本人は暑さに慣れてしまっていて、実は一番危ないタイミングだったりします。だからこそ、電話口で症状を聞いた段階で「今日中に何とかします」と即答することを、うちではこの時期のルールにしています。

先日も、離れて暮らすお母様のために息子さんが代わりに連絡をくださったケースがありました。行ってみたら室外機は動いているのに冷風が全然出ていない状態で、ガス漏れが原因でした。もし発見があと数日遅れていたらと思うと、正直ぞっとします。ニュースの数字の一件一件に、こういう具体的な事情があるんだろうなと、電話を受けるたびに思うんです。

うちでは夏場に限って、電話口でのヒアリング項目を少し増やしています。「いつから効かないか」だけでなく、「室内にいる時間帯」「エアコンなしでどれくらい過ごしているか」まで聞くようにしていて、緊急度の判断材料にしているんです。単に修理の順番待ちリストに入れるのではなく、その日のうちに向かうべきか、扇風機や冷却グッズでしのいでもらいながら翌日対応でいいかを、電話の時点である程度見極めるようにしています。この一手間があるかないかで、結果は大きく変わると思っています。

「電気代が心配で我慢してました」への向き合い方

もうひとつ最近増えているのが、「電気代が上がっているので、なるべく我慢して使っていました」という声です。節電を呼びかけるニュースや値上げのニュースを見て、必要以上に使用を控えてしまっている方が一定数いらっしゃる印象があります。これはエアコンの調子が悪いという話ではなく、使い方そのものへの不安なんですよね。

こういう時、うちのスタッフには「直して終わり」じゃなく、設定温度の目安や、つけっぱなしと小まめなオンオフどちらが状況的に得か、みたいな話も一言添えるようにお願いしています。工事や修理だけが仕事だとは思っていなくて、「安心して使ってもらう」ところまでがセットだと考えているからです。

正直、電気代の不安を根本的に解消してあげることはできません。でも、「我慢しすぎなくて大丈夫ですよ」と一言伝えるだけで、表情がふっと緩む方は結構多いです。専門知識がある人間が横で「それは大丈夫」と言ってくれるだけで、安心材料になるんだろうなと感じています。

実際にあった話ですが、設定温度を28度から我慢して30度近くまで上げて過ごしていたご家庭がありました。理由を聞くと、去年の電気代の請求書を見て怖くなったからだそうです。うちのスタッフが「除湿と組み合わせれば、設定温度を極端に上げなくても体感はだいぶ変わりますよ」と説明したところ、その場で少し設定を見直してくださいました。正しい知識さえあれば、無理な我慢をしなくて済む場面は意外と多いんだと思います。

お盆前の追い込みで、うちの職人たちが見せる踏ん張り

この時期はスケジュールがほぼ隙間なく埋まっていて、正直スタッフの体力的な負担も大きいです。それでも、依頼の電話を受けた事務スタッフが申し訳なさそうに「今日はもう空きがなくて」と伝えると、現場から戻ってきた職人が「じゃあ俺、あと1件行けるよ」と自分から言い出すことがよくあります。誰かに言われたわけでもなく、状況を察して動いてくれる姿を見ると、こちらが励まされる気持ちになります。

ただ、これを美談だけで終わらせるつもりはなくて、無理な働き方を良しとするつもりも全くありません。うちでは真夏の現場作業について、こまめな休憩と水分・塩分補給を業務として組み込んでいて、「暑いから頑張れ」ではなく「暑いから休め」を先に言うようにしています。現場の判断でスケジュールを後ろ倒しにしていいというルールも、この数年で明確にしました。

「無理させない」を判断基準にする、というちょっとした決め事

依頼が集中するこの時期、正直すべてのご依頼に「今すぐ」対応できるわけではありません。その中でうちが優先順位を決める基準にしているのが、「その日を越せるかどうか」という一点です。ご高齢の方やお子さんがいるご家庭、体調に不安がある方からの連絡は、たとえ工事日程が詰まっていても最優先で調整するようにしています。

逆に、急ぎでない工事のご相談は、正直にお待たせする日数をお伝えして、お客様にも職人にも無理をさせない選び方をしています。これは会社としてすごく悩みながら決めたことなんですけど、「全部を完璧にこなす」より「本当に困っている人を後回しにしない」ほうを、うちは大事にしたいと思っています。

熱中症のニュースを見るたびに、うちの仕事は単なる工事業ではなく、この暑さの中で誰かの命綱の一部を預かっている仕事なんだと、あらためて感じます。大げさに聞こえるかもしれませんが、電話の向こうにいる一人ひとりの事情を想像しながら、これからも一件一件丁寧に対応していきたいと思っています。


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