お盆前のこの時期、正直に言うと毎朝いちばん最初にやることはスマホの天気予報アプリを開くことなんです。今日はその、地味だけど毎日欠かせない「現場と天気のにらめっこ」について、ちょっとお話しさせてください。
「今日は無理かもしれません」を朝一番で判断する基準
うちで一番気にしているのは、雷注意報が出ているかどうかと、その現場が屋根の上やベランダの手すりが低い高所作業になるかどうかです。地上での室内機取り付けだけなら多少の空模様の悪さは気にしませんが、室外機を屋根置きにする現場や、脚立を何段も継ぎ足すような現場は話が別なんですよね。前日の予報が晴れマークでも、当日の朝になって急に雲行きが怪しくなることは夏場によくあることで、そういう時は現場責任者に電話をかけて「行けそうか、待った方がいいか」を必ず確認するようにしています。
実際、これまでにも屋根置き型の室外機工事を予定していた日の朝、雷注意報が出ていたために順番を入れ替えて、先に地上設置の別のお客様の現場を先に片付けてから、天候が落ち着いたタイミングで屋根の現場に向かった、ということが何度もありました。お客様からすると「なんで急に時間が変わるの」と思われるかもしれませんが、職人の安全に関わることなので、そこだけは絶対に譲らないようにしています。
判断のために見ているのは、天気予報アプリの降水確率だけではありません。雨雲レーダーの動きや、気象庁が出している雷の予測情報も合わせてチェックしています。夏の関東は「西の方から黒い雲がすごい速さで近づいてくる」ということが珍しくなくて、朝の時点では晴れていても、昼過ぎには急変することがよくあるんです。なので、特に高所作業が絡む現場は、朝一回の判断で終わらせず、昼前にもう一度天気を確認し直すようにしています。この「二段階で見る」というのは、うちが何年もかけて身につけてきたやり方だと思っています。
室外機の据え付け、実は「晴れてるだけ」じゃ足りないことも
天気の話でもう一つ意外と知られていないのが、湿度の影響です。エアコンの配管をつなぐ工事では、最後に「真空引き」といって配管の中の水分や空気を抜く作業をするのですが、雨上がりで湿度がすごく高い日は、配管の中に水分が入り込みやすくなると言われています。なので、そういう日はいつもより真空引きの時間を少し長めにとるようにしていて、これは経験からくる現場の工夫みたいなものです。ちゃんと数字で真空度を確認してから作業を終える、というのは前にもお話ししたことがありますが、天気によってその「ちゃんと」の基準を微調整しているというのは、あまり表には出ない話かもしれません。
もう一つ、電気配線の接続作業も雨天だと基本的に中止か延期にしています。屋外のコンセント工事や電源への接続は、少しの小雨でも感電や絶縁不良のリスクが上がると言われているので、ここは天気予報の降水確率が少しでも高い日は最初から無理に予定を組まないようにしています。「せっかく来てもらったのに」と申し訳なく思われるお客様もいらっしゃるのですが、安全に関わる部分なのでご理解いただけると本当に助かります。
予定を組み替えるとき、いちばん気を使うのはお客様への連絡
現場の順番を入れ替えると決めたら、次に大事なのはお客様への連絡のタイミングです。仕事を半休や有休にしてエアコン工事を待ってくださっているお客様も多いので、朝いちばんの天気の判断がついた時点で、できるだけ早く電話を入れるようにしています。ぎりぎりまで「行けるかもしれない」と粘って、結局直前でキャンセルの連絡をするのが一番よくないパターンだと思っているので、多少早めでも「今日は難しそうです」とお伝えする方を選んでいます。
その上で、可能な限り代替案もセットで伝えるようにしています。「午前は難しいので午後の遅い時間に回せないか」「今日がどうしても無理なら明日の最初の枠を確保する」といった具合に、ただ延期を伝えるだけでなく、次にどうするかまで一緒にお話しすることを心がけています。うちのスタッフには「延期の連絡は謝るだけで終わらせるな」とよく言っていて、これは地味ですがお客様との信頼関係に直結する部分だと思っています。
お盆の時期は特に、ご親戚が集まる前になんとか間に合わせたいというご事情のあるお客様が多くて、こちらとしても「延期します」の一言で終わらせにくい空気があります。そういう時は、同じ日の別の現場を担当している職人に連絡して、順番を入れ替えられないか、あるいは応援に回れないかを調整することもあります。一人の職人の判断だけで完結させず、その日動いている全員の予定を見ながらパズルを組み替えるような感覚に近いです。
それでも夏は「待ったなし」の依頼が多いから難しい
ここまで安全第一という話をしてきましたが、実際には夏場は「エアコンが壊れて動かない」「熱中症が心配なお年寄りがいる」といった、待ったなしの依頼も少なくありません。そういう時は、多少の空模様の悪さがあっても、雷や大雨といった明確な危険がない限りは、できる範囲で優先して対応することもあります。安全と緊急性、このバランスを取る判断は正直毎回悩ましいところで、マニュアル通りにいかない部分だと感じています。
最終的には、その日の現場責任者と私とで電話やメッセージのやり取りをして、判断を一人だけに背負わせないようにしています。天候判断のミスは事故に直結するので、「これくらい大丈夫だろう」という空気に流されず、迷ったら止まる、というのをチーム全体の共通認識にしているつもりです。
天気予報とにらめっこしながらの毎日は正直ちょっと疲れることもありますが、それでもお客様の夏を無事に涼しく過ごしていただくために欠かせない工程だと思っています。予定変更でご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、そういう裏側があることも知っていただけたら嬉しいです。
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