室外機、実は水に弱いんです。台風シーズン前にできる対策の話

室外機、実は水に弱いんです。台風シーズン前にできる対策の話

お盆が明けると、天気予報に台風の進路図が出てくる回数がぐっと増えますよね。うちにも毎年この時期になると「大雨のあと、急にエアコンが動かなくなった」「室外機からブーンという変な音がする」というご相談がぽつぽつ増えてくるんです。今日はあまり知られていない、室外機と「水」の関係についてお話ししたいと思います。

目次

室外機は「屋外用だから頑丈」というわけではありません

室外機って、雨ざらしの場所に置かれているので、なんとなく「水には強いんだろうな」というイメージを持たれている方が多い気がします。実際、外装カバーはある程度の防水加工がされていて、普通の雨で壊れることはまずありません。ファンの羽根や配管まわりが多少濡れたところで、それだけで壊れることはほぼないんです。ただそれは「上から降ってくる雨」に対しての話なんですよね。

問題になりやすいのは、下から水が来るケースなんです。制御基盤やファンモーター、圧縮機(コンプレッサー)が入っている本体の下側は、雨には耐えられても、水につかることまでは想定して作られていません。ゲリラ豪雨で敷地が一時的に冠水したり、排水口が枯れ葉や泥で詰まって室外機の周りに水がたまり続けたりすると、底面のわずかな隙間から内部に水が入り込んで、基盤がショートしてしまうことがあります。うちが実際に見た現場でも、床下浸水にはならなかったのに、室外機の設置場所だけ水はけが悪くて水没していた、というお宅がありました。マンションの機械式駐車場のわきや、擁壁で囲まれた低い土地に置かれている室外機は、思っている以上に水がたまりやすい場所だったりします。

大雨のあと、実際にはこんな相談が多いんです

台風や集中豪雨の翌日から数日のあいだに増えるのが、「電源は入るのに冷えない」「運転してすぐブレーカーが落ちる」「リモコンにエラーコードが出た」といったご相談です。厄介なのは、水をかぶった直後は普通に動いてしまうことも多い、という点なんです。基盤にわずかに水が残っていると、そこから少しずつ配線が腐食していって、1週間後、ひどいときは1か月近く経ってから急に止まる、ということもあります。だから「あの大雨からしばらく経つけど大丈夫だったし」と油断していると、意外と忘れたころに来ることがあるんです。

特にリスクが高いなと感じるのは、室外機が地面近くの低い位置に直置きされているお宅、駐車場の端や坂の下など水が集まりやすい場所にあるお宅ですね。マンションの1階や、川や用水路が近いエリアも、雨量が多い年は要注意だと思っています。あとは築年数が経っている物件で、当時の排水路の設計が今の豪雨の量を想定していない、というケースも意外とあって、周りの新築のお宅は無事なのに、うちだけ、という相談をいただくこともあります。

台風シーズン前にできる、簡単な備え

一番手軽で効果があるのは、室外機の下に専用の「防振架台」や「かさ上げ台」を入れて、地面から少し浮かせておくことです。新品に交換しなくても、ホームセンターで手に入る簡易的な台でも、水がたまりやすい場所ならそれだけでリスクはだいぶ下がります。うちで新しく設置するときも、水はけが心配な立地なら最初から高さのある台を選ぶようにしていますね。あわせて、室外機の周りや裏側にある排水路・側溝が枯れ葉や泥で詰まっていないか、台風シーズン前に一度チェックしていただけると安心です。この排水経路の詰まりだけが原因で水がたまってしまうケースは、実はかなり多いんです。

「防水カバーをかぶせておけば安心なんじゃないですか」とよく聞かれるのですが、これは実はちょっと注意が必要です。室外機は運転中に空気を吸い込んで排出することで熱交換をしているので、全体をすっぽり覆うタイプのカバーをつけっぱなしにすると、逆に熱がこもって故障や効率低下の原因になってしまいます。もし使うなら、運転していないときだけ、それも吸排気口をふさがない範囲でかぶせる、くらいの使い方がちょうどいいと思います。台風が来る前日だけ上部にブルーシートを軽くかぶせて、飛ばされないよう重しをのせておく、くらいの一時的な使い方であれば効果的だと思います。

もし水をかぶってしまったら、まずやってほしいこと

大雨のあとに室外機が水につかっているのを見つけたら、まず絶対にやってほしくないのが「とりあえず動かしてみる」ことです。内部に水が残ったまま通電すると、ショートして被害が広がったり、思わぬ事故につながったりする可能性があります。まずはブレーカーを落とした状態で、外装や配管まわりに目に見える損傷がないか、水位の跡がどのあたりまで来ていたかを確認してください。基盤がある本体の中段より上まで水位の跡があるようなら、素人判断で通電するのは避けたほうがいいと思います。

水が引いて、見た目に異常がなさそうでも、すぐには電源を入れず、できれば数日は自然乾燥の時間を置いてから運転を試すのが無難です。それでも動かしたときに異音がする、焦げたようなにおいがする、エラー表示が出る、いつもよりファンの回り方がおかしい、といったサインが少しでもあれば、無理に使い続けずに一度点検を依頼していただきたいなと思います。内部で腐食が進んでいると、その場では動いていても、あとから発火などのトラブルにつながることもあるので、そこだけは慎重になってほしいところです。火災保険で水災の補償が使える場合もあるので、写真だけでも撮っておくと、あとで相談するときに役立つと思います。

台風シーズンって、来てから慌てて対策するよりも、来る前にちょっと室外機まわりを見ておくだけでだいぶ違うんですよね。今年の夏はまだまだ暑さも台風も続きそうなので、お手入れついでに、室外機の足元も一度チェックしてみてもらえたらうれしいです。


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