エアコンつけたらブレーカーが落ちた、実は原因が結構はっきりしてる話

エアコンつけたらブレーカーが落ちた、実は原因が結構はっきりしてる話

夏本番になると、うちにもよくこういう電話がかかってくるんです。「エアコンのスイッチ入れたら急に真っ暗になっちゃって」って。焦りますよね、あれ。夜中だったりすると、なおさら不安になると思います。実はこの「ブレーカーが落ちる」現象、闇雲に怖がるようなものではなくて、原因は結構はっきりしていることが多いんです。今日はその仕組みと、よくあるパターン、そして実際に落ちてしまったときにどう考えればいいかを、現場に出ている人間の目線で少し詳しくお話ししようと思います。

目次

そもそも「ブレーカーが落ちる」って、何が起きているのか

分電盤を開けると、大きいスイッチが1本と、小さいスイッチがずらっと並んでいますよね。大きい方は「アンペアブレーカー」と呼ばれていて、ご家庭全体で契約している電気の容量を超えたときに落ちる仕組みになっています。一方、小さい方は「安全ブレーカー」で、こちらは部屋やコンセントの系統ごとに分かれていて、その回路だけに流れる電気が多すぎたときに落ちます。

エアコンは動き出す瞬間、つまりコンプレッサーが起動するタイミングで、運転中よりもぐっと大きな電流が一瞬流れると言われています。普段は問題なく使えていても、同じ回路で電子レンジやドライヤーを同時に使った瞬間に「あ、落ちた」となるのは、この起動時の電流と他の家電の消費電力が重なってしまうケースが多いんです。

面白いのは、「昨日までは平気だったのに、今日いきなり落ちるようになった」というご相談です。話をよく聞くと、猛暑で家族全員が家にいる時間が長くなって、キッチンの家電もリビングのテレビも一気に稼働している、という状況だったりします。エアコン自体の性能が急に落ちたわけではなくて、家全体としての電気の使い方が変わったことで、ギリギリのラインを越えてしまっただけ、ということが実は少なくないんです。

実は一番多い原因は「専用回路になっていない」こと

現場に呼ばれて分電盤を見せてもらうと、意外と多いのが「エアコン用のコンセントのはずが、実は他の部屋の照明やコンセントと同じ回路を共有していた」というパターンです。特に建物が古かったり、あとからエアコンを増設したお宅だと、この状態になっていることが珍しくありません。

もうひとつよくあるのが、エアコン専用のはずのコンセントに延長コードを継ぎ足して、扇風機や加湿器もそこから取っているケース。専用回路というのはエアコン1台だけのために電線が引かれている、という意味なので、そこに別の家電をつなぐと、せっかくの「専用」の意味がなくなってしまうんですよね。まずはご自宅のエアコン用コンセントに、他の家電がつながっていないか確認してみるのは、意外と効果的な第一歩だと思います。

賃貸のお部屋でも似たような相談をよく受けます。入居した時点でエアコンが備え付けになっている場合、そのコンセントが本当に専用回路なのかどうかは、パッと見ただけでは分かりにくいものです。気になる方は、分電盤のスイッチに部屋ごとの表示があれば、そこから系統を確認できることもあります。難しそうであれば、無理に自分で判断しようとせず、点検のときにでも聞いていただければ、こちらでチェックできます。

200Vへの交換で工事が必須になる理由

お部屋のサイズが大きくなって、ハイパワーな機種に買い替えるとき、コンセントの形が普段見慣れているものと違う「200V用」になることがあります。これは単に見た目の違いではなくて、電気の送り方そのものが変わるので、既存の100V用の配線をそのまま使い回すことができません。分電盤から新しく専用の配線を引き直す工事が必要になるケースがほとんどです。

「見積もりに電気工事の費用が入っていて高くなった」と驚かれることもあるんですが、これは決して余計な工事を勧めているわけではなくて、安全にその機種を動かすために必要な工程なんです。むしろ、ここを省略して無理に接続しようとする方が危険だと僕らは考えています。

逆に、今使っている機種と同じくらいのパワーの製品に買い替える場合は、既存の配線をそのまま使えることも多いです。ですので「買い替え=必ず電気工事が発生する」というわけではなく、部屋の広さや機種のグレードを上げるかどうかで変わってくる、というのが実際のところです。見積もりの段階で、なぜその工事が必要なのか、あるいは不要なのかを、ちゃんと説明してもらえるお店を選ぶのがいいと思います。

落ちてしまったときの応急処置と、根本的な向き合い方

もし今まさにブレーカーが落ちてしまったら、まずは同じ回路につながっている他の家電のスイッチを切ってから、ブレーカーを上げ直してみてください。それで安定して使えるようなら、原因は「同時使用による一時的な容量オーバー」だった可能性が高いです。逆に、他に何もつないでいないのに繰り返し落ちるようなら、配線側か、エアコン本体側に何か原因がある可能性があるので、そのまま様子見を続けるより、一度点検してもらった方が安心だと思います。

根本的な対策としては、エアコン専用回路を新しく増設する、分電盤自体の容量やアンペア数を見直す、といった方法があります。契約アンペアを上げれば解決する場合もありますが、これは電力会社との契約内容にも関わってくる話なので、まずは工事店に現状を見てもらって、どこに手を入れるのが一番効果的かを一緒に整理していくのがいいと僕は思っています。

ちなみに、分電盤自体が古いお宅だと、そもそも増設できる空きスペースがなかったり、分電盤ごと交換した方が結果的にすっきりする、というケースもあります。こうなると電気工事店さんとの連携が必要になってくるので、僕らだけで完結しない話になってくるんですが、そのあたりの段取りも含めて相談に乗れるのが、長く現場をやっている工事店の強みだと思っています。「うちだけで直せる範囲か、専門の電気屋さんと一緒に動く範囲か」を、最初にきちんと見極めることが、遠回りに見えて一番早い解決につながる気がしています。

ブレーカーが落ちると「エアコンが壊れたのかな」と不安になる方も多いんですが、実際にはエアコン本体よりも、電気の通り道側に原因があることの方が多い印象です。夏の暑い盛りに何度も落ちて困っている、というときは、遠慮せずに一度ご相談いただければと思います。


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