「暖房つけてたら、急にピタッと止まって、しばらくしたらまた動き出したんです」というお電話、この時期になるとちょくちょくいただきます。慌てて電源を切ったり、ブレーカーを何度も上げ下げしたりする前に、まず落ち着いて読んでいただきたい話です。
「止まって、また動く」はだいたい安全装置のお仕事
エアコンって、実はけっこう律儀な機械なんです。室外機や室内機のどこかに負荷がかかりすぎると、自分で判断して一旦運転を止める「保護回路」という仕組みが働くようになっています。人間で言うと、ちょっと無理しすぎたから一息つきましょう、みたいな感覚に近いと思うんですよね。
多いのは、室外機が霜で真っ白になって「これ以上は霜取りが必要」と判断したとき、フィルターや熱交換器がホコリで詰まって風の通りが悪くなっているとき、あるいは周りの気温がかなり低くて機械にとって厳しい条件になっているときです。どれも「壊れた」というより「今はちょっと無理しないようにしている」状態だと考えてもらえれば、イメージが近いと思います。数分から十数分で勝手にまた動き出すのは、だいたいこのパターンです。
「霜取り運転」というもう一つの正体
実は、止まっているように見えて実際は止まっていない、というケースもよくあります。これが「霜取り運転(デフロスト)」と呼ばれるもので、気温が低い日に室外機の表面に霜がつきすぎると、エアコンが一時的に暖房を中断して、自分で霜を溶かす動きに切り替えるんです。この間、室内機からは生ぬるい風や、場合によっては何の風も出てこなくなるので、「止まった」「壊れた」と思われがちなんですが、これは完全に正常な動作です。
霜取り運転は、だいたい5分から15分くらいで終わって、終わるとまた暖かい風がしっかり出てくるようになります。目安として、室外機から蒸気のような白い煙がもわっと出ているときは、まさにこの霜取り運転の真っ最中だと思ってもらって大丈夫です。心配して止めてしまうより、そのまま待っていただくのが一番早く解決する方法だったりします。
電話の前に、まずここだけ見てほしい
一番多い原因は、実はフィルターの汚れです。暖房は冷房よりも風量を多めに使う運転が多いので、夏の間に溜まったホコリが思った以上に効いてくる時期なんです。フィルターを外して、溜まったホコリを軽く掃除機で吸うか、水洗いしてしっかり乾かしてから戻すだけで、止まる頻度がぐっと減ることがよくあります。目詰まりが進んでいると、フィルター全体が灰色っぽく変色して見えるので、ひとつの目安にしてみてください。
次に見てほしいのが室外機の周りです。霜がべったりついているのは暖房運転中はある程度仕方のないことですが、吹き出し口の前に物が置いてあったり、落ち葉や植木鉢でふさがれていたりすると、風の通り道が塞がれて負荷が余計にかかりやすくなります。室外機の前後に30センチくらいは物を置かないようにしていただくだけで、動きが安定することも多いです。あとは、電子レンジや電気ケトルなど消費電力の大きい家電と同じ回路のブレーカーを使っていないかも、意外と見落とされがちなポイントです。
様子見でいいケースと、電話していいケースの境目
フィルターを掃除して、室外機の周りも問題なくて、それでも1日に何度も同じように止まるようなら、それはもう「様子見」の範囲を超えていると思っていいです。特に、止まったあとに全く動き出さない、リモコンの画面にエラーコードのようなアルファベットや数字が表示されている、焦げたようなニオイがするといった症状が一つでもあれば、そこは迷わず電話していただきたいところです。
逆に、最近急に寒くなった日の夜間だけ止まりやすい、フィルター掃除をしたらぱったり止まらなくなった、霜取り運転らしき白い煙が出た後にちゃんと復帰した、という場合はそのまま様子を見て大丈夫なことがほとんどです。うちに来るお電話も、実際にお伺いしてフィルター掃除と室外機周りの片付けだけで直ってしまうケースが、思っている以上に多いんですよね。
頻発を減らすためにできる、ちょっとした工夫
暖房を本格的に使い始める前に、一度フィルター掃除をしておくのはやっぱり効果が大きいです。シーズン初めの一回をやっておくだけで、冬の間の止まりやすさがかなり変わってきます。設定温度を極端に高くせず、1〜2℃下げて風量は自動にしておくのも、機械への負荷を抑える意味で地味に効きます。
室外機の設置場所によっては、風が吹き込みやすい向きや、1日のうちで日陰になる時間帯の違いで止まりやすさが変わることもあるので、毎年同じ時期に同じ症状が出るお宅は、一度点検のタイミングで室外機周りの環境を見直してもらうのもおすすめです。古い機種だと、霜取り運転の頻度そのものが新しい機種より多めになっている場合もあるので、「毎年この時期は止まりやすいな」という感覚がある方は、買い替えのタイミングとして覚えておいてもらえるといいかもしれません。
というわけで、暖房中に止まって、また動き出すというのは、機械が頑張って自分を守っている証拠というケースが多いというお話でした。それでも気になるときは、遠慮なく聞いてくださいね。判断に迷うくらいなら、電話一本で済む話です。「様子を見ていいのか、呼んだ方がいいのか」の線引きだけでも、お電話で状況を聞かせていただければその場でお答えできますので、一人で悩まずに気軽に聞いていただけたらと思います。
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