近所の高校生が社会科見学に来てくれて、こっちが色々考えさせられた話

近所の高校生が社会科見学に来てくれて、こっちが色々考えさせられた話

先日、地元の高校から「職業体験というか、社会科見学みたいな形でお邪魔していいですか」って連絡をいただいて、うちの現場と作業場に生徒さんを2人受け入れたんです。正直、最初は「うちみたいな小さい会社に来てもらって大丈夫かな」ってちょっと身構えてたんですけど、終わってみたら僕のほうがいろいろ考えさせられる一日になりました。

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「エアコン屋さん」で来て「配管屋さん」で帰っていった

来てくれた生徒さんたちは最初、素直に「エアコンを取り付ける人」というイメージで来てたと思うんです。でも実際に現場を見てもらうと、うちの仕事のほとんどは配管をどう通すか、どこに穴を開けるか、電気をどう引くか、という話なんですよね。エアコン本体を壁につけるのは、正直言うと作業全体の一部でしかない。

それを目の当たりにして「え、こんなに考えることあるんですか」って驚いてたのが印象的でした。図面を見ながら「この壁の向こうに何が通ってるか分かるんですか」って聞かれて、うちの職人が「叩いた音とか、コンセントの位置とか、いろんな情報を組み合わせて予想するんだよ」って答えてたんですけど、僕も改めて「そうか、これって特殊技能なんだな」って思わされました。毎日やってると当たり前になっちゃうんですけど、外から見るとちゃんと専門職なんですよね。

途中で「もし壁に何が通ってるか分からないまま穴を開けちゃったらどうなるんですか」という質問も出て、これはうちの職人も苦笑いしてました。実際、配管や配線を傷つけてしまうトラブルはゼロではない世界なので、だからこそ下調べや慎重な作業が必要なんだよ、という話を正直にしたんです。生徒さんたちは「失敗しない仕事なんてないんですね」って妙に納得してくれてました。

質問がいちいち本質的で、こっちが答えに詰まった

高校生って変に遠慮がないので、質問がストレートなんです。「なんで会社によって値段が全然違うんですか」「一番大変な失敗ってどんなのですか」「この仕事っていつまでできるんですか、体力的に」。どれも普段お客様相手だとオブラートに包んで答えがちな質問なんですけど、生徒さん相手だと変に取り繕ってもしょうがないので、割と本音で答えました。

特に「体力的にいつまでできるか」という質問には、正直ちょっと考え込みました。うちにも60代のベテランがいますけど、確かに体を使う仕事なので、若い頃と同じようには動けなくなる部分もある。でもその分、判断の速さとか、トラブルの見極め方とか、経験でカバーできる領域が広がっていくんですよね。「体力で勝負する時期と、頭と経験で勝負する時期があるんだよ」って答えたんですけど、我ながら、なかなかいいこと言えたなと思ってます。

「なんで会社によって値段が違うのか」という質問には、使う部材のグレードや、真空引きなどの下準備をどこまで丁寧にやるか、保証の内容がどう違うかといった話をしました。生徒さんたちにとっては「値段=同じ作業の値段の違い」だと思っていたみたいで、「工事の中身自体が会社によって違うことがあるんですね」と驚いていたのも、こちらとしては新鮮な反応でした。

案内役を任せた若手が、思った以上にちゃんとしてた

今回、生徒さんの案内役をうちに入って3年目の若手にお願いしたんです。まだ本人的には「自分なんてまだまだ」って思ってるタイプなんですけど、いざ人に説明する立場になると、驚くほどちゃんと言葉が出てくるんですよね。専門用語を使わずに、身振り手振りを交えながら、生徒さんの反応を見て説明の仕方を変えたりしていて。

後で本人に「めちゃくちゃ分かりやすかったよ」って伝えたら、照れくさそうにしながらも「人に説明するのって、自分の理解の確認にもなりますね」って言ってたんです。これ、地味にすごく良い気づきだなと思って。教える側になって初めて分かることって、確かにあるんですよね。新人研修とかできっちり座学をやるのも大事だけど、今回みたいに「誰かに説明する役目」を若手にちょっと任せてみるのも、成長の機会としてアリだなと感じました。

正直、この若手を案内役に選んだのは半分くらい「経験を積ませたい」という僕の下心もあったんです。でも終わってみると、生徒さんたちが一番心を開いて話していたのも、年齢の近いこの若手に対してでした。同世代に近い人が現場で活き活き働いている姿を見せることが、下手な会社説明よりよっぽど説得力があるんだなと痛感しました。

採用のためだけじゃない、こういう機会の意味

正直に言うと、こういう見学の受け入れは「将来的にうちに入ってくれる子が一人でもいたら儲けもの」くらいの気持ちでやってます。今どき工事系の仕事って、なかなか若い人に選んでもらいにくい業界だと思うので。でも今回終わってみて、それ以上に「うちの仕事を言葉にして人に伝える機会」としての価値のほうが大きかったなと思ってるんです。

普段は現場で黙々と手を動かしてる職人たちが、自分の仕事を誰かに説明することで、逆に自分たちの仕事の意味を再確認する。これって社内研修だけではなかなか生まれない効果だと思うんですよね。生徒さんが帰り際に「思ってたより体だけじゃなくて頭も使う仕事なんですね」って言ってくれたのが、うちのスタッフ全員にとって、ちょっとしたご褒美みたいな一言だったと思います。

次にまた見学の話が来たら、今度は違う若手にも案内役をやってもらいたいなと、密かに企んでいます。地域の学校とのこういうつながり、今後もできる範囲で大事にしていきたいなと思った一日でした。


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