エアコンの風向き、「下向き」にしていませんか?意外ともったいない使い方の話

エアコンの風向き、「下向き」にしていませんか?意外ともったいない使い方の話

「エアコンの効きが悪い」というご相談で現場に伺うと、機械はまったく問題なくて、リモコンの設定を少し直しただけで体感がガラッと変わる、ということが実はけっこうあるんです。今日は工事の話というより、毎日のリモコン操作でできる「効かせ方」の話をしたいと思います。

以前、「10年前のエアコンと比べて全然冷えない、故障じゃないか」と呼ばれて伺ったお宅で、風向きと風量の設定を直しただけで「あ、こんなに違うんですね」と驚かれたことがありました。もちろん機械の寿命や内部の汚れが原因のこともありますが、その前に一度、設定を見直してみる価値はあると思います。

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冷たい空気は、放っておくと足元にたまっていく

エアコンの冷房から出てくる空気は、まわりの空気より重いんです。だから何も考えずに運転すると、冷たい空気はスーッと下に落ちて、床やソファのまわりにたまっていきます。部屋の上半分にはなかなか行き渡りません。

そうすると何が起きるかというと、人の背丈から上、とくにエアコン本体の近くだけが暖かいまま残ってしまいます。エアコンは自分の近くの温度を見て「まだ暑いな」と判断するので、設定温度に届いたと認識できず、いつまでも強い冷房を続けることになります。

部屋の下半分はしっかり冷えているのに、電気代だけはどんどんかさむ。夏場、リビングでつけているのに「顔まわりだけ暑い」「立ち上がると急に暑くなる」と感じるとしたら、それは部屋が冷えていないのではなくて、冷気が下にたまって循環していないサインだと思います。

冷房のときは風向きを「水平〜やや上向き」に

これを防ぐには、冷房のときは風向きのルーバーを「水平」か、少し上向きにしてあげるといいです。冷たい空気をいったん天井のほうへ送り出してやると、部屋全体をゆっくり回りながら自然に下りてくるので、上と下の温度差が小さくなります。

逆に、冷房で風を真下に向けてしまうと、さっきの「足元にたまる」状態を自分から作ってしまうことになります。涼しい風が直接当たって気持ちいいのは最初だけで、体が冷えすぎたり、なんとなくだるくなったりする原因にもなります。就寝時に体調を崩しやすい方は、まず風向きを見直してみてください。

「風が自分に当たらないと涼しい気がしない」という方も多いんですが、そこはぐっと我慢して、まず部屋全体を冷やしてしまうほうが結果的に早く快適になります。どうしても風がほしいときは、左右のスイング(自動首振り)を使って一点に当て続けないようにすると、体への負担が減ります。

ちなみに暖房はこの逆で、暖かい空気は上にたまるので、風向きはしっかり下向きが基本です。「夏は上向き、冬は下向き」とだけ覚えておくと、季節の切り替えのときに迷わなくてすみます。ワンシーズンごとにルーバーの向きを一度見直す、くらいの意識でちょうどいいと思います。

風量は「弱」で我慢するより「自動」に任せたほうがいい

節電のつもりで風量をずっと「弱」に固定している方が多いんですが、これはかえって遠回りになることがあります。風量が弱いと部屋が設定温度に届くまで時間がかかって、その間ずっと室外機のコンプレッサーが動き続けるからです。

エアコンがいちばん電気を使うのは、立ち上がりの「一気に冷やす」ときだと言われています。だから最初にしっかり風量を出して早く設定温度まで持っていき、あとは弱く回して維持する。この動きを勝手にやってくれるのが「自動」なので、基本は自動に任せておくのがいちばんラクで、結果的に無駄も少なくなりやすいです。

以前、電気代が急に上がったというお宅に伺ったら、ご家族全員がそれぞれの部屋で風量を「弱」にしていました。全部「自動」に戻してもらったら、翌月の使用量がむしろ下がったとご連絡をいただいたことがあります。弱運転は「静かでやさしそう」に見えて、実は長く動かしてしまう設定なんですね。音が気になる夜だけ「静音」や「おやすみ」モードを使うくらいがちょうどいいと思います。

扇風機やサーキュレーターは「置き方」で差が出る

エアコンと扇風機の併用はよく言われますが、ただ人に向けて回すだけだと効果は半分くらいです。おすすめは、エアコンに背を向ける形で床に置いて、風を部屋の奥や天井のほうへ送ってあげること。下にたまった冷たい空気をかき混ぜて、部屋全体を循環させるイメージです。

もうひとつ多いのが、扇風機を部屋の真ん中に置いてしまうパターンです。壁ぎわや部屋の角に置いて、大きな空気の流れを一本作ってあげたほうが、部屋全体がムラなく涼しくなります。ドアの近くに置いて隣の部屋へ流すのも、家全体で使うときには効きます。

サーキュレーターと扇風機のどちらがいいかもよく聞かれますが、まっすぐ遠くまで風が届くぶん、部屋の空気を回す目的ならサーキュレーターのほうが向いています。扇風機しかなければ「強」で首振りを止め、壁の上のほうを狙って当てるだけでもだいぶ違います。

この置き方にすると、設定温度を1〜2度上げても体感はほとんど変わらないことが多いです。無理に温度を下げるより、空気を動かすほうが省エネにも体にもやさしい、というのが現場での実感です。電気代が気になる時期こそ、まず持っている扇風機の置き場所を変えてみてほしいなと思います。

まとめ

エアコンは、買ったあとの「使い方」で効きも電気代も本当に変わります。今日の話は工事に来てもらわなくても今日から試せることばかりなので、まずは冷房の風向きを水平〜上向きにして、風量を自動に戻すところから、ぜひやってみてください。それでも明らかに効きが戻らないときは、機械のほうを一度見せていただければと思います。


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