寒くなってくると毎年出てくるのが「外出するとき、暖房ってつけたまま出た方がいいの?消した方がいいの?」という質問なんです。これ、実は答えが一つじゃなくて、外出する時間の長さによって得する方が変わるんですよ。今日はそのあたりを、現場でよく聞かれる内容や、お客様から教えてもらった実際の使い方も交えてお話しします。
「数十分〜1時間程度の外出」ならつけっぱなしが得なことが多い
エアコンって、運転を始めた直後が一番電力を使うんです。室温と設定温度の差が大きいところから一気に温めようとするので、コンプレッサーがフルパワーで動くんですね。一度部屋が暖まった後は、その温度を保つだけの運転になるので、思っているよりずっと電力は少なくて済みます。
なので、ちょっとコンビニに行く、回覧板を届けに行く、宅配便の受け取りで外に出る、くらいの外出であれば、消してまた一から立ち上げ直すより、つけたままにしておいた方がトータルの電気代が安くなるケースが多いんです。「外に出るときは必ず消す」というのを徹底されているお客様もいらっしゃいますが、短時間の外出が1日に何度もある生活スタイルだと、むしろそのたびに立ち上げ直す分、損をしてしまっていることもあります。
「半日以上の外出」は消したほうが得になりやすい
一方で、仕事や買い物でまる1日家を空けるような場合は、消していった方が得になることが多いです。さすがにその間ずっと運転させておくより、出かける前に消して、帰ってきてから立ち上げ直す方がトータルの消費電力は少なくなります。留守中は誰もいない部屋を暖め続けているだけなので、ここはしっかり「消す」を選んでいただいて大丈夫です。
ただここで一つ知っておいてほしいのが、「消して帰ってきた直後の暖房」は一番電力を使うタイミングだということなんです。帰宅直後にものすごく寒い部屋を一気に暖めようとすると、そこで電力をどっと使います。だから「帰る30分前にスマホの遠隔操作で暖房をつけておく」みたいな使い方をされているお客様も増えてきていて、これはなかなか賢い方法だなと思って見ています。最近の機種はスマホの専用アプリから外出先で操作できるものが多いので、もし今お使いの機種にその機能があるなら、ぜひ活用してみてほしいです。
設定温度と風量の組み合わせでさらに差がつく
外出中つけっぱなしにする場合、設定温度を下げておくのもポイントです。普段21〜22度で過ごしているなら、外出中は18〜19度くらいに下げておけば、部屋の最低限の暖かさは保ちつつ消費電力をかなり抑えられます。完全に切るのが不安な方、たとえばご高齢の家族やペットが留守番している場合は、この「下げて運転」という選択肢もおすすめしています。
風量については、自動運転にしておくのが一番効率がいいです。「弱」に固定してしまうと、設定温度に届くまで時間がかかって、結果的に長く運転する羽目になることも多いんですよ。これは夏の冷房でもよく似た話をしていますが、冬の暖房でも同じ理屈が当てはまります。風向きについても、暖かい空気は上にたまりやすいので、風向を下向き、または自動にしておくと部屋全体が早く暖まって、結果的に運転時間が短く済みます。
電気の契約プランによっても「正解」が変わってくる
ここは意外と知られていないのですが、ご家庭の電気の契約プランによっても、つけっぱなしが得かどうかの判断が変わってきます。時間帯によって電気の単価が変わるプラン、いわゆる「夜間が安くなるタイプ」のプランを使っているご家庭だと、日中の外出時はできるだけ消して、料金の安い時間帯にまとめて暖めるという考え方の方が合っていることもあります。逆に一日中料金が一定のプランであれば、先ほどお話しした「外出時間の長さ」だけで判断してもらえば問題ありません。
オール電化のお住まいで蓄熱式の暖房機器と併用されている場合は、エアコン単体の損得だけでなく、家全体の暖房システムとのバランスも関わってきますので、気になる方は契約プランの明細を一度見直してみるのもおすすめです。
つけっぱなし派がうっかり陥りやすい落とし穴
「つけっぱなしの方が得」と聞いて、何時間でも全部つけっぱなしにしてしまうと、それはそれで電気代がかさんでしまいます。目安としては、2〜3時間以内の外出ならつけたまま、それより長くなりそうなら一度消す、というくらいの感覚で考えてもらうとちょうどいいと思います。
あと、意外と見落とされがちなのが窓の断熱です。カーテンを閉めずに外出すると、どんなに頑張って暖房をつけていても熱が外に逃げやすくなります。外出前にカーテンだけでも閉めておくと、同じ設定でも部屋の冷め方がだいぶ違ってきますので、ぜひ試してみてください。玄関や廊下との間の扉を閉めておくのも、暖めた空気を無駄に逃がさないための小さなコツです。
というわけで、「つけっぱなしが正解」「消すのが正解」どちらか一つに決めつけるより、外出時間や電気の契約プランに応じて使い分けるのが一番賢いやり方だと思います。「今日はちょっと出かけるだけだから」「今日は丸一日空けるから」と、その日の予定に合わせて軽く判断する習慣をつけるだけで、特別な工事や新しい機器を買い替えなくても、無理なく電気代は抑えられるものなんですよ。ご自宅の暮らし方に合わせて、ちょうどいい使い方を見つけてもらえたら嬉しいです。
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