朝晩がすっかり涼しくなってきて、うちの現場でも長袖の作業着に切り替わってきました。そんな中で最近ちょこちょこ増えてきたのが「暖房、ちゃんと効くか今のうちに見てほしい」というご依頼なんです。今日はその話をしようと思います。
本格的な冬より前にお願いされる理由
正直に言うと、こういうお問い合わせをくださるお客様って、けっこう痛い目を見た経験がある方が多いんですよね。真冬にいざ暖房をつけたら生ぬるい風しか出てこなくて、慌てて電話をかけてくる…というパターンを、うちも過去に何度も経験してきました。年末年始の一番忙しい時期に限って「今日中になんとかなりませんか」というお電話が重なることもあって、正直こちらとしても対応しきれないことがあるんです。特にお子さんや高齢のご家族がいらっしゃるご家庭だと、暖房が使えない一晩がすごく長く感じられると思うんですよね。だからこそ、そうなる前に手を打っておきたいという気持ち、すごくよく分かるんです。
だからこそ、9月の終わりから10月にかけての、まだ寒さが本格化する前の時期に「試しに暖房をつけてみる」という一手間を挟んでおくのは、実はすごく理にかなっているんです。この時期なら仮に不具合が見つかっても、まだ余裕を持って部品を手配したり、日程を調整したりできますからね。メーカーによっては部品の取り寄せに1週間以上かかることもあるので、真冬に発覚するよりずっと安心です。
試運転で実際に見つかる不具合のパターン
試運転をお願いされて実際にお伺いすると、多いのは「冷房は問題なく効いていたのに暖房だけ効きが悪い」というケースです。エアコンは冷房と暖房で冷媒の流れる向きが逆になる仕組みになっているので、片方だけ調子が悪いということが普通に起こり得るんです。四方弁と呼ばれる、その流れを切り替える部品の動きが渋くなっていたり、冷媒がじわじわ減っていたりすることが原因だったりします。四方弁は切り替わるときに「ゴトッ」という音がすることが多いので、その音がしない、あるいは切り替わるまでに妙に時間がかかる場合は要注意だったりします。
もうひとつよくあるのが、フィルターや室外機周りのホコリ・落ち葉の詰まりです。夏の間ずっと稼働させていたぶん汚れが溜まっていることが多くて、これを掃除するだけで暖房の効きがぐっと良くなることも珍しくありません。試運転のついでにこのあたりを点検できるのも、早めにお願いいただくメリットだと思っています。あとは意外と見落とされがちなんですが、室外機の中の霜取り用のセンサーにゴミが絡まっていて、正常に霜取り運転ができていなかった、なんてこともたまにあります。
ご家庭でもできる簡単なチェック
業者を呼ばなくても、ご自宅で一度暖房を試しにつけてみるだけでも意味があります。リモコンで暖房に切り替えて、しばらく運転させてみて「ちゃんと温風が出てくるか」「変な音や異臭がしないか」を確認するだけでも、大きなトラブルの芽は早めに見つけられることが多いんです。もし温風が出るまでにやたら時間がかかったり、風は出るのにあまり温かくならなかったりする場合は、一度点検を検討していただいたほうがいいかもしれません。目安としては、運転を始めてから5分から10分程度経ってもぬるい風のままだったり、設定温度まで全然近づいていく気配がなかったりする場合は、様子見せずに相談していただいた方が安心だと思います。
あわせて、室外機の周りに物が置かれていないか、落ち葉やゴミが吸込み口を塞いでいないかも見ていただけると助かります。室外機がしっかり空気を吸って排出できる状態でないと、どうしても暖房の効率が落ちてしまうんです。ここは掃除機や箒でサッと片付けるだけで済むことも多いので、ぜひ試してみてほしいポイントです。特に植木鉢や物置代わりに室外機の周りにものを置いてしまっているご家庭は意外と多くて、それだけで暖房効率がかなり変わってくることもあります。
うちとしても年末に向けて準備しておきたいこと
正直なところ、うちのような工事屋にとっても、この時期に試運転のご依頼をいただけるのはありがたいんです。年末に向けて忙しくなる前に、部品の在庫を確認したり、スタッフのスケジュールを調整したりする材料になりますからね。逆に真冬の繁忙期に急なご依頼が重なると、どうしてもお待たせしてしまう時間が長くなってしまうので、心苦しい思いをすることもあります。うちのスタッフとも「秋のうちにできることはできるだけやっておこう」と、毎年この時期になると話しているくらいなんです。
なので、もし「そういえば去年の冬、暖房の効きがちょっと悪かったな」と思い当たる方がいらっしゃったら、本格的に寒くなる前のこの時期に、一度リモコンで試しに運転してみてほしいなと思っています。少し早めに動いておくだけで、冬の安心感がだいぶ変わってくるはずです。ちょっとした手間ではありますが、寒い夜に慌てるよりはずっと気が楽だと思いますので、よかったら今週末あたりに試してみてください。
ちなみに、うちに来る試運転のご依頼って、実はエアコンを新しく買い替えたばかりのご家庭よりも、10年くらい使い続けているエアコンをお持ちのご家庭からのほうが多い印象があります。長く使っているエアコンほど、去年までは何とか動いていたものが今年はギリギリ怪しい、という状態になりやすいからだと思うんですよね。そういう意味でも、古いエアコンをお使いの方ほど、この時期の試運転はやっておいて損はないと思っています。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。それでは、また次回の話でお会いしましょう。
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