若手が来月、電気工事士の技能試験を受けるらしい話

若手が来月、電気工事士の技能試験を受けるらしい話

うちの若手のひとりが、来月ある第二種電気工事士の技能試験を受けるんです。筆記はもう受かっていて、あとは実技だけ。事務所の隅で工具箱を開いて練習してる姿を見かけて、「お、いよいよか」って思わず声をかけちゃいました。

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資格って、現場に出てから欲しくなるものだと思う

面白いのが、入社したての頃はそんなに資格に興味がなさそうだった子が、半年、一年と現場に出るうちに「これ、ちゃんと免状持ってないとダメなやつだ」って自分で気づいて勉強し始めるパターンが結構多いんですよね。エアコン工事って配管つないで終わりじゃなくて、電源の確保とか専用回路の増設とか、電気工事士の資格がないとできない作業がちゃんと絡んでくるので。

最初に座学だけで教えても正直あんまり頭に残らないんですけど、現場で「あ、これ配線工事だから資格ないとまずいやつだ」って肌で感じてから勉強すると、驚くほど吸収が早い。うちの若手も、まさにそのパターンです。入社した頃は正直、工具の名前もあやふやだったのに、今では先輩に聞かなくても回路図を見ただけでだいたいの作業の流れが頭に浮かぶようになってきました。半年でここまで変わるんだなと、教えてる側としても毎回驚かされます。

技能試験は「知ってる」と「できる」の差がすごい出る

筆記試験はテキストを覚えればなんとかなる部分もあるんですけど、技能試験は本当に手を動かせるかどうかが全部です。時間内に配線を組んで、圧着したり結線したりを、決められた手順とミスなくやりきらないといけない。頭では分かってても、指が追いつかないってことがよく起きるんですよね。

うちの若手も、最初は制限時間の倍近くかかってて「これ本当に間に合うんですか」って半分泣きそうな顔してました。でも毎日少しずつ工具に触ってるうちに、動きに無駄がなくなってくるのが横で見ていても分かるんです。最初はケーブルの被覆を剥くだけでも手が震えてたのに、今では会話しながらでも手が勝手に動くようになってきていて、体で覚えるって本当にこういうことなんだなと感じます。

技能試験には候補問題というものがあって、事前に十数種類の課題が公表されるんです。本番ではその中からひとつが出題される仕組みなので、極端な話、全部を体に覚え込ませてしまえば怖いものはない。とはいえ十数種類を完璧に、しかも時間内にとなると、そう簡単な話でもなくて、結局は反復あるのみなんですよね。

候補問題を何度も繰り返して、同じ作業を体に染み込ませる。地味な作業なんですけど、これを嫌がらずにコツコツ続けられるかどうかが、実は一番の分かれ目だったりするんですよね。うちの若手は不器用なタイプなんですが、その分人一倍練習量を積んでいて、そういう子ほど本番で崩れないというのが、これまで何人も見てきた印象です。

「見て覚えろ」だけじゃもう通用しない時代だと思ってる

昔ながらの職人気質だと「技は見て盗め」みたいな空気もあったと思うんですけど、正直それだけだと今の若い子たちにはちょっと厳しいなと感じてます。うちでは先輩がつきっきりで練習台を用意して、時間を計って、失敗したところを一緒に見直す、みたいなことを普通にやるようにしてるんです。

これ、教える側の負担は正直増えるんですけど、結果的に合格率も上がるし、なにより現場での動きが安定するのが早い。回り道に見えて、実は一番の近道だったりするんですよね。うちみたいな小さい会社だと、一人前になるスピードがそのまま会社の力になるので、ここは手を抜きたくないところです。

先輩たちも、自分が受けた頃のことを思い出しながら教えてくれてるみたいで、休憩中に「あの頃はこうやって覚えたな」なんて昔話が始まることもよくあります。そういう時間も含めて、うちの会社らしい教え方なのかなと勝手に思っています。

それに、教える先輩自身にとっても学びがあるみたいなんです。人に説明しようとすると、自分がなんとなく感覚でやっていた作業の「なぜそうするのか」を言葉にしないといけなくなる。それで改めて基本を見直すきっかけになったり、逆に自分の癖に気づいたりすることもあるらしくて、教える側と教わる側、どっちも成長してるんだなと横で見ていて感じます。

応援しながら、こっちも身が引き締まる話

正直な話、若手が資格を取ろうと頑張ってる姿を見ると、こっちも「もっとちゃんと教えないと」って気が引き締まります。自分が現場に出始めた頃のことを思い出すと、当時教えてくれた先輩たちには本当に頭が上がらないなと、こういうタイミングでふと思い出すんです。

試験本番までは、もう少し練習に付き合うことになりそうです。結果がどうであれ、この期間に真剣に工具と向き合った時間は絶対に無駄にならないと思うので、あとは本人が実力を出し切れるかどうか。うちとしても、しっかりバックアップしていきたいと思ってます。

ちなみに合格発表は毎回それなりに時間がかかるので、結果が出るまでの間は、若手もそわそわしながら普段通りの現場をこなすことになります。うちでも過去に何人か受けてきましたが、発表の日にスマホの画面を食い入るように見つめてる姿は、何度見ても微笑ましいものがあります。受かった瞬間の「やりました!」の声を、また来月も聞けたらいいなと思っています。

資格があるから安心、ではなくて、資格を取る過程で身についたものが、結局は現場でのお客様の安心につながっていく。そんなふうに考えながら、若手の背中を見守っている今日この頃です。試験当日は、たぶんこっちの方が緊張してるかもしれません。


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