エアコンの冷媒ガス、実は種類によって全然違うという話

エアコンの冷媒ガス、実は種類によって全然違うという話

暑い日が続いてるからか、最近「うちのエアコン、ガスが古いタイプらしいんですけど大丈夫ですか?」って聞かれることが増えました。正直、お客様からこの質問が出るのはちょっと意外で、うれしいというか、勉強熱心だなあと思うんですよね。今日はそのあたり、冷媒ガスの話をちゃんとしてみようと思います。

目次

冷媒ガスってそもそも何をしてるものなのか

エアコンの中では、冷媒ガスというものがぐるぐる循環しています。これが室外機と室内機の間を行き来しながら、圧縮されたり膨張したりを繰り返して、熱を運ぶ役目を担っているんです。冷房だったら、室内の熱を吸い取って外に逃がす、その「運び屋」がガスというイメージだと思ってもらえればいいと思います。

電気で直接冷たい空気を作っているわけじゃなくて、この気体の性質をうまく使って熱を移動させているだけなんですよね。なので、ガスの量が減っていたり、種類が合っていなかったりすると、いくら本体が新しくても本来の効きが出なくなってしまいます。地味な存在なんですけど、エアコンの心臓部と言ってもいいくらい大事なものだと思ってます。

ちなみに冷媒ガスは減ったり漏れたりすることはあっても、使われて「消費」されるものではありません。だから正常な状態なら、何年使ってもガスの量は基本的に変わらないんです。逆に言うと、効きが悪くなってきたときに「ガスが足りないのかも」という話が出てくるのは、どこかに漏れがある、という前提の話なんですよね。ここを勘違いされている方は意外と多い印象です。

なぜガスの種類がここ数年で変わってきたのか

昔のエアコンはR22というガスが主流だったんですが、これはオゾン層への影響が指摘されて、だんだん使われなくなっていきました。そのあとR410Aというガスが長く主流になって、うちの現場でもかなりの台数がこのタイプでした。ところが今度はR410Aも地球温暖化への影響が大きいと言われるようになって、最近の新しいモデルはR32というガスに切り替わってきています。

R32は温暖化への影響が比較的小さいと言われていて、今後の主流になっていくだろうというのが業界の見立てです。ただ、ガスの種類が変わるということは、機器の設計も変わるということなので、古いR410A用の室外機に新しいR32のガスをそのまま入れる、みたいなことはできません。この「互換性がない」というのが、実務の上ではけっこう重要なポイントになってきます。

面白いのは、ガスの規制って一気に切り替わるわけじゃなくて、何年もかけて少しずつ移行していくところなんです。だから今でもR410Aの機種は現役でたくさん動いていますし、しばらくは修理部品もちゃんと流通しています。ただ、その先R32がさらに新しい冷媒に置き換わっていく可能性もあると言われていて、こういう業界のルールの流れは、僕らも定期的に情報をアップデートしていかないといけないなと感じています。

「うちのエアコン、何ガス?」を知っておいた方がいい理由

修理の依頼をいただいたとき、まず室外機の銘板を見て、使われているガスの種類を確認するところから始めます。これによって、部分的な修理で直せるのか、それとも入れ替えないと厳しいのかがだいぶ変わってくるんです。特にR22世代の古い機種だと、そもそもガス自体の生産や供給が縮小していて、補充したくてもガスが手に入りにくい、というケースが実際にあります。

お客様からすると「ガスが抜けてるなら足せばいいんでしょ」というイメージを持たれることが多いんですけど、実は機種によっては「足す」という選択肢自体が現実的じゃない場合もあるんですよね。そういうときは無理に延命するより、買い替えを含めて検討した方が結果的に安く済むことも多いので、正直にお伝えするようにしています。

あと、これは意外と知られていないんですが、ガスの種類によって、扱うときに必要な工具や資格も変わってきます。特にR32は微燃性という性質があって、取り扱いに気をつけるべき点がR410Aとは少し違うんです。なので現場の職人たちには、新しいガスが出てくるたびに、扱い方をあらためて確認してもらうようにしています。知識がアップデートされていないまま古いやり方で作業すると、思わぬトラブルにつながりかねないので、そこは手を抜けないところだと思っています。

買い替えのタイミングで、現場から見えている景色

最近設置に伺う新しいモデルは、ほぼR32になってきました。設置する側としても、ガスの取り扱いルールが機種ごとに細かく決まっているので、そのあたりは毎回きちんと確認してから作業に入るようにしています。真空引きの手順ひとつとっても、ガスの特性によって気をつけるポイントが微妙に違うんです。

お客様に説明するときは、「エコだから」とか「新しいから」だけじゃなくて、修理のしやすさとか、将来的な部品供給の安定感まで含めてお話しするようにしています。10年、15年先まで使うものなので、今のガスの主流がどっちに向かっているかを知っておくと、買い替えのタイミングを判断するときの材料になると思うんですよね。

それと、これはよくある相談なんですけど、「片方の部屋だけ壊れたから、その部屋のエアコンだけ最新のR32に替えたい」というケース。一台単位で見れば問題ないことがほとんどなんですが、マルチエアコンのように複数の部屋で一つの室外機を共有しているタイプだと、ガスの種類をそろえる必要が出てきて、結局まとめての工事になることもあります。このあたりは現地を見てみないと判断できない部分も多いので、迷ったら気軽に聞いてもらえたらと思っています。

というわけで、普段あまり意識しない冷媒ガスの話でした。次にエアコンの調子が悪いなと感じたら、「何のガスを使ってる機種なんだろう」って、ちょっとだけ気にしてみてもらえるとうれしいです。


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