エアコンの「畳数表示」、実はけっこう当てにならない話

エアコンの「畳数表示」、実はけっこう当てにならない話

エアコンを選ぶとき、みなさん「うちは何畳だから、この機種でいいかな」って畳数表示を頼りにしますよね。実はあれ、目安としては悪くないんですけど、うちみたいに毎日いろんなお宅にお邪魔してると「その畳数表示、今のお宅にはちょっと合ってないかも」って思う場面が結構あるんです。今日はその話をしようと思います。

目次

畳数表示のもとになってる前提、実は結構古いんです

家電量販店やカタログに載ってる「6畳用」「10畳用」みたいな表示、あれって日本の住宅の断熱基準がまだそこまで高くなかった時代の想定をベースに作られてると言われています。天井の高さや窓の大きさ、方角、断熱材の入り方まで全部平均的な数字でならして計算されているので、あくまで「昔ながらの標準的な木造住宅で、これくらいの暑さ条件なら」という目安なんですよね。

だから今どきの高気密・高断熱住宅だと、表示より一段階小さいサイズでも十分効いたりします。逆に築年数が古めのお宅や、リフォームで壁を抜いてリビングを広くしたようなお宅だと、畳数表示どおりの機種を選んでも「なんか効きが弱いな」ってなりがちなんです。表示はあくまでスタート地点であって、そこがゴールじゃないっていう感覚を持っておいてもらえるといいのかなと思います。うちがお客様に説明するときも、まずは「この数字は目安で、実際は部屋の条件次第で変わりますよ」ってところから話すようにしています。

現場でよく見る「表示どおりに選んで失敗したパターン」

うちが現調に伺って一番多いのが、吹き抜けリビングのご家庭です。畳数だけで見ると床面積は普通の家と変わらないのに、天井が高い分、実際に冷やさなきゃいけない空気の体積は全然違うんですよね。この場合は畳数表示より一回り大きい機種をおすすめすることが多いです。二階まで吹き抜けになっているお宅だと、体感で必要な能力が表示の1.5倍近くになることも珍しくありません。

あとは西日がガッツリ入る部屋とか、キッチンに隣接したリビングも要注意です。西日は夕方の一番暑い時間帯に窓からガンガン熱が入ってきますし、キッチンは調理中の熱がプラスされる。畳数表示はこういう「その部屋特有の熱の入り方」までは考慮してないので、同じ8畳表示の部屋でも条件次第で必要な能力はかなり変わってきます。実際、以前のお客様で「表示どおりの機種を買ったのに夏場だけ全然涼しくならない」というご相談があって、伺ってみたら南西向きの角部屋で日射がかなり厳しいお部屋だったということもありました。

あとよくあるのが、LDKをひとつのエアコンでまかなおうとするケースです。リビングとダイニングとキッチンをつなげた「〇〇畳」という表示をそのまま鵜呑みにすると、実際に人が集まって熱を発する時間帯や、ドアの開け閉めで熱が出入りする回数まではカタログの数字に反映されていません。特にお子さんが小さいご家庭だと、リビングのドアが一日中開けっぱなしということも多くて、そのぶん余裕を見ておいたほうが安心だったりします。

じゃあ実際どう選べばいいのか、うちなりの考え方

正直、これはカタログだけ見て自己判断するよりも、現地を見てもらったほうが早いと思ってます。うちが現調でチェックしてるのは、方角と窓の大きさ、断熱の状態(築年数やサッシの種類である程度推測できます)、天井高、あとは部屋の使い方です。同じ人数が住んでいても、リビングでずっと過ごすご家庭と、寝るときだけ使う寝室とでは求められる余裕度が違ってきますから。

あと地味に見落とされがちなのが、エアコンを設置する壁の位置と、風の通り道です。同じ部屋でも吹き出し口の位置が悪くて空気がうまく循環しないと、能力自体は足りていても「涼しさが体まで届かない」ということが起きます。なので機種選びと合わせて、どの壁に取り付けるかまでセットで考えるようにしています。

もう一つ意識してほしいのが「余裕を持たせすぎない」ことです。大は小を兼ねると思われがちですが、エアコンに関してはちょっと事情が違っていて、次の項目でその理由をお話しします。

大きすぎる機種を選んだときに起きがちなこと

能力に余裕がありすぎる機種を選ぶと、部屋がすぐに設定温度まで下がってしまって、エアコンが早々に運転を弱めてしまいます。そうすると除湿がしっかりされる前に温度だけ下がってしまって、「涼しいはずなのにジメッとする」という感覚になりやすいんです。冷房って温度を下げるのと同時に湿度を取る働きもあるので、そのバランスが崩れると体感の快適さがかえって下がってしまうことがあります。オーバースペックな機種は本体価格も上がりますし、電気代も無駄に高くなりがちなので、実はいいことばかりではないんですよね。

逆に小さすぎる機種は、常にフル稼働に近い状態が続いて電気代がかさむだけでなく、コンプレッサーへの負担が大きくなって寿命を縮めてしまう可能性もあると言われています。ちょうどいいサイズを選ぶというのは、単に「効くか効かないか」だけじゃなくて、快適さと電気代と機器の寿命、その全部に関わってくる話なんですよね。

なので新しくエアコンを検討されている方は、畳数表示だけで決めずに、一言「うちの部屋、こういう条件なんですけど大丈夫ですかね」って聞いてもらえると、こちらとしても的確な提案がしやすくて助かります。方角や天井の高さ、普段の使い方まで教えていただければ、それだけでかなり精度の高い提案ができますので、遠慮なく聞いてください。

今日はエアコンの畳数表示について、うちが現場で感じていることをお話ししました。カタログスペックはあくまで目安、最後はその部屋の実際の条件を見て決める、というのを覚えておいてもらえたら嬉しいです。

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