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安全靴、「安全ならなんでもいい」で選ぶのはもったいないと思う話

安全靴、「安全ならなんでもいい」で選ぶのはもったいないと思う話

作業着とか工具の話ってよく盛り上がるんですけど、足元の話ってあんまり出てこない気がするんですよね。安全靴なんて先芯が入ってて滑らなきゃそれでいい、くらいに思ってる人、意外と多いんじゃないでしょうか。でも一日中履いて、一日中現場を歩き回る道具なんで、実はこだわりどころとしてはかなり大きいと思うんです。今日はそんな足元の話をしてみようと思います。

先芯と靴底、実は現場によって「正解」が違う

安全靴っていうとつま先の先芯ばかり注目されがちなんですけど、個人的には靴底の方が現場との相性が出やすいと思ってます。タイルとか濡れたコンクリートが多い水回りの現場なら耐滑底、油や薬品を扱う現場なら耐油底っていう具合に、底のゴムの配合や溝の切り方で歩いた時の安定感がぜんぜん違うんです。同じ「滑りにくい」でも、水に強い溝と油に強い溝は形状からして別物なので、そこを混同して選んでる人も意外といます。

うちの現場でも、鉄板の上を歩くことが多い職人と、土間コンクリートの上ばかりの職人とで、同じ銘柄でも底のパターンを変えてる人がいます。JIS規格に適合してるかどうかは最低限のラインとして大事だと言われていますが、その先の「自分の現場にどの底が合うか」までちゃんと考えてる人は、やっぱり足腰の疲れ方が違う印象があります。

先芯についても、昔ながらの鋼製だけじゃなく、樹脂製や軽量素材の先芯を選べるモデルが増えてきました。強度は確保しつつ重さを抑えられるので、一日中歩き回る現場では地味に体力の消耗が変わってきます。冬場は鋼製先芯だと足先が冷えやすいという声もよく聞くので、季節によって先芯の素材を使い分けるという発想も、知っておいて損はないと思います。

ミッドソールのヘタリ、気づかず履き続けてませんか

安全靴で一番見落とされがちなのが、底のクッション材(ミッドソール)のヘタリだと思うんです。表面のゴムはまだ削れてなくても、中のクッションは毎日の体重と衝撃でじわじわ潰れていきます。見た目はまだ大丈夫そうなのに、なんだか一日の終わりに足の裏や膝が妙に疲れる、っていう時は、これが原因のことが結構あるんです。

目安としては、毎日履くようなら半年から一年くらいでクッション性が落ちてくると言われていて、実際に古い靴と新しい靴を並べて指で押し比べてみると、へたった方は明らかに沈み込みが浅くなってるのが分かります。もったいないからと同じ靴を何年も履き続けるより、傷んだら早めに替える方が、結果的に体への負担もコストも抑えられると思うんですよね。膝や腰の慢性的な痛みが、実は靴のヘタリから来てるっていうケースも珍しくないので、体の不調を感じたら一度足元も疑ってみる価値はあると思います。

あと、中敷き(インソール)だけを定期的に交換するっていう手もあります。靴本体はまだしっかりしてるのに中敷きだけヘタってる、というケースは多いので、そこだけ市販の高機能インソールに変えるだけでも歩き心地はかなり変わります。土踏まずのアーチをしっかり支えてくれるタイプに替えると、長時間の立ち仕事でも疲れ方がだいぶ違うという声もよく聞きます。

現場によって履き分けるという発想

一足だけをローテーションなしで毎日履き倒す人もいますが、できれば二足以上を交互に履くのをおすすめしたいです。理由は単純で、靴の中は一日履くとかなり湿気を含んでいて、それが完全に乾く前にまた履くと、素材の劣化が早まるからです。二足を交互にするだけで、それぞれの寿命が体感でかなり延びる気がします。休みの日に新聞紙を丸めて中に詰めておくとか、風通しの良い場所で陰干しするとか、そのひと手間があるかないかでも長持ち具合が変わってくると思います。

さらに欲を言えば、現場の種類ごとに履き分けるのも効果的です。電気系の作業が絡む現場なら静電気帯電防止タイプ、高所や足場が絡む現場ならグリップ力重視のタイプ、冬場の屋外中心なら防寒性のあるタイプ、というふうに使い分けている職人を何人か知っています。最初の投資は増えますが、それぞれの現場でのパフォーマンスと安全性を考えると、決して無駄な出費ではないと思うんです。経費として計上する時も、用途を分けて記録しておくと後々の管理がしやすくなります。

足元のこだわりは、仕事への向き合い方そのもの

最近は安全靴もデザインの選択肢が増えていて、スニーカーみたいなシルエットのものや、カラーバリエーションが豊富なものも普通に流通しています。「安全靴なんだから地味でいい」という時代から、「自分らしさを出せる道具のひとつ」という感覚に変わってきてるように感じます。

職人PRIDE(プライド)の会員さんの中にも、現場ごとに靴の色を変えて気分を切り替える人や、ブランドを一つに決めて長く使い続ける人がいて、話を聞くたびに面白いなと思います。道具や作業着へのこだわりって、単なる見た目の話じゃなくて、その人が仕事にどれだけ丁寧に向き合ってるかが表れる部分でもあると思うんですよね。靴が綺麗に手入れされてる職人さんは、現場の道具の扱いも丁寧なことが多い気がしていて、それは決して偶然じゃないんじゃないかなと思っています。

職人プライドというコミュニティでも、こういう地味だけど大事な道具の情報交換がもっと広がっていったらいいなと思っています。安全靴一つ選ぶにしても、誰かの工夫を知ることで自分の現場での選び方が変わることって、意外とあるものです。

足元は毎日一番酷使してる道具なのに、意外と見直される機会が少ない部分だと思います。次に靴を買い替えるタイミングがきたら、値段や見た目だけじゃなく、底のタイプやクッションの状態、現場との相性まで、ちょっと丁寧に選んでみてもらえたら嬉しいです。

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