お盆前後、うちの現場もなんだかんだバタバタしてます。かと思えば、ちょっと前まで「今週まったく予定が埋まってない」なんて時期もあったりして。一人親方や個人事業主で仕事をしていると、こういう忙しさの「波」とは、正直ずっと付き合っていくことになるんですよね。今日はその波との付き合い方について、自分が考えてることを書いてみようと思います。
忙しさに波ができるのは、そもそも当たり前
空調・設備まわりの仕事って、季節性がけっこう強いんです。梅雨が明けた瞬間にエアコンの故障・新設の依頼がどっと増えますし、年度末や年末は物件の入れ替えに合わせた駆け込みの依頼が重なる。逆に真冬の空調需要が落ち着く時期や、秋口のちょうど端境期みたいなタイミングは、急に予定が空いたりします。
それに加えて、元請けの現場都合、他業種の作業が遅れたことによる工程のしわ寄せ、天候による延期がいくつも重なると、ある週は目が回るほど忙しくて、翌週はぽっかり暇になる、なんてことが実際によく起きます。一件の現場が延びただけで、後ろに控えていた予定が玉突きで詰まったり空いたりする。これは自分一人の段取りだけではどうにもならない部分も大きいです。しかも困ったことに、こういう波は前もって正確に読めるものでもなくて、「今年は暇そうだから他の仕事も入れておこう」と踏んでいたら急にまとめて依頼が来た、なんてことも珍しくありません。
これを「自分の営業のやり方が悪いんじゃないか」と思い込んで一人で焦ってしまう人もいると思うんですが、自分はそこまで気に病む必要はないと思ってるんです。波ができること自体は、業界の構造としてある程度仕方のない話。まずは「波があるのが普通なんだ」と腹をくくっておくだけで、暇な時期に感じる焦りは、けっこう軽くなるんじゃないかと思います。
暇な時期を「空白の時間」にしない使い方
とはいえ、暇な時期にただダラダラ過ごしてしまうと、忙しくなった時にそのツケが回ってくることがあります。工具のメンテナンスや車両の点検、材料の在庫整理といった、忙しい時期にはなかなか手が回らない地味な仕事を、この時期にまとめてやっておく。真空ポンプのオイル交換や、配管カッター・フレアツールの刃の状態を見直しておくだけでも、繁忙期に入ってからの作業スピードと仕上がりが体感でぜんぜん違ってきます。
資格の勉強や、新しい工法・製品の情報収集に時間を充てるのもいいと思います。展示会やメーカーの講習会は、忙しい時期だとまず行けないので、こういうタイミングでしか吸収できない情報もあります。あと個人的に大事だと思ってるのが、しっかり体を休めることも立派な仕事のうちだということです。
暇だからといって焦って次の仕事を探して無理に詰め込むより、この時期にちゃんと体力を回復させ、家族との時間を確保しておいた方が、結果的に長く現場に立ち続けられる。目先の空白を埋めることばかり考えなくていいと自分は思ってます。
取引先を一社に頼らない、という保険のかけ方
波を少しでも穏やかにする一番の方法は、仕事をもらう先を一社に集中させすぎないことだと思っています。元請けが実質一社だけだと、その会社の仕事量の波が、そのまま自分の生活の波になってしまう。付き合う相手を何社か持っておくと、片方が暇な時期でも、別のところから声がかかることが起きやすくなります。
そのためには、日頃からの関係づくりが欠かせません。現場でのちょっとした一言、頼まれた範囲より少し丁寧に仕上げる姿勢、作業後に一本連絡を入れておくといった細かい積み重ねが、「またあいつに頼みたい」につながっていくんだと思います。職人PRIDE(プライド)みたいなコミュニティに顔を出しておくのも、普段付き合いのない会社や職人とつながるきっかけになる。職人プライドの集まりで名刺交換した相手から、しばらく経ってから声がかかったという話も、実際に聞いたことがあります。
もちろん、取引先を増やせば増やすほどいいというわけでもありません。あちこちに手を広げすぎると、それぞれの現場管理や連絡のやり取りだけで手一杯になってしまうこともあります。無理のない範囲で、信頼できる先を二、三社ずつ増やしていくくらいのペースが、自分に合っているように感じています。
忙しい時期こそ、受けすぎない判断も必要
逆に忙しい時期は、来た依頼をつい全部受けてしまいがちです。でも無理に予定を詰め込むと、一件あたりの仕上がりが雑になったり、確認作業を端折ってしまって後からトラブルになったりする。さらに無理がたたって体を壊し、結局まとまった期間休むことになれば、忙しい時期にこそ受けられたはずの仕事を丸ごと失うことにもなりかねません。
目先の売上を追うより、今の自分のキャパシティを冷静に見極めることの方が、長い目で見れば大事だと思っています。「今回のタイミングは難しいです、ただ来週なら空いてます」というふうに、断りつつも代わりの提案をセットで伝えるようにすると、相手も次の手を打ちやすいし、こちらの印象も悪くなりにくいです。無理して受けて質を落とすくらいなら、正直に伝えて別の日程を提案する。その方が相手との関係を長く守れることの方が多いんじゃないかなと、これまでの経験から感じています。
波があること自体はどうにもならない部分もあるけれど、その波とどう付き合うかは、工夫次第で変えていけると思っています。暇な時期の使い方、取引先の広げ方、忙しい時期の線引き。そのあたりを少しずつ整えていけたらいいなと、自分自身もまだまだ試行錯誤中です。

