今日はちょっと趣向を変えて、道具の話をしようと思います。腕のいい職人ほど、使ってる工具を見ればだいたいわかるんですよね。新品をポンポン買い替える人より、同じ工具を何年も、時には何十年も大事に使い続けてる人の方が、仕事も丁寧なことが多い気がします。今日は道具との付き合い方について、思うところを書いてみます。
ドライバー1本、何年使ってますか
電動ドライバーやインパクトドライバーって、現場では毎日使う道具の代表格だと思うんです。でも意外と、バッテリーの管理まで気を配ってる人は少ない印象があります。使い終わったらすぐ充電、じゃなくて、ある程度残量があるうちに継ぎ足し充電を繰り返すと、バッテリーの寿命ってけっこう縮むんですよね。満充電と使い切りをバランスよく繰り返す方が長持ちするって言われています。
先端のビットも同じで、舐めたまま使い続けると次のネジも舐めやすくなって、結局作業効率が落ちます。ビットケースに何十本も入れっぱなしで、どれが摩耗してるかわからない状態になってる人、けっこう多いんじゃないでしょうか。月に1回でいいので、ビットケースの中身を全部出して、使えないものを間引く時間を作るだけで、現場でのイライラがだいぶ減ると思います。
手工具の手入れは「その日のうち」が鉄則
スパナやモンキーレンチ、ペンチみたいな手工具は、電動工具より軽視されがちですけど、実は一番錆びやすい道具でもあります。特に湿気の多い現場や、水回りの作業が多い人は、その日の作業が終わったら軽く布で拭いてから工具箱にしまう、これだけでサビの進行はだいぶ違ってくるんです。
ベテランの職人さんの工具箱を見せてもらうと、古い工具でも刃先や接合部がピカピカに手入れされてることが多くて、正直感動することがあります。逆に、道具が雑に扱われてる現場は、仕上がりも雑になりがちだったりするんですよね。もちろん例外もありますけど、道具を大事にする姿勢って、仕事全体の姿勢に表れる気がしています。
油分の補給も忘れがちなポイントです。可動部にちょっと注油するだけで、動きの滑らかさが全然違ってきます。専用の潤滑油じゃなくても、防錆スプレーを常備しておくだけで十分効果があるので、車の中や工具箱の隅に1本置いておくのをおすすめします。
「一生モノ」を選ぶ基準は人それぞれでいい
最近は海外製の高級工具ブランドも人気ですよね。値段は張るけど、握りやすさや耐久性が全然違うって言う人も多いです。ただ、無理して高い工具を揃える必要はないと個人的には思っていて、大事なのは自分の手に馴染むかどうかだと思うんです。
手が小さい人には大きすぎるグリップの工具は逆に使いにくいし、力の入れ方も人によって違います。工具屋さんで実際に握らせてもらったり、先輩職人に借りて試させてもらったりして、自分に合うものを見つけるプロセスも、道具選びの楽しみのひとつなんじゃないかなと思います。
そして一度気に入った工具に出会ったら、同じメーカー・同じシリーズで揃えていくのもひとつの手です。バッテリーの互換性があったり、ケースが統一できたりして、現場での持ち運びがぐっと楽になります。道具箱がごちゃごちゃしてる人は、一度メーカーを絞ってみるのもいいかもしれません。
道具の手入れは、次の現場への準備でもある
道具の手入れって、単なる掃除じゃなくて、次の現場をスムーズに進めるための準備でもあると思うんです。工具箱を開けた瞬間に「あれ、あの工具どこいった」ってなる時間、地味に積み重なると結構なロスになります。
職人PRIDE(プライド)の会員さんたちと話してても、道具へのこだわりって現場の話と同じくらい盛り上がる話題だったりします。愛用の一本を見せ合ったり、手入れの裏技を教え合ったりする中で、職人プライドというコミュニティならではの横のつながりが生まれてるのを感じることがあります。
今使ってる工具箱、久しぶりに全部出して点検してみませんか。案外、まだまだ使える工具が眠ってたり、逆にそろそろ買い替え時のものが見つかったりするかもしれません。道具を大事にすることは、結局は自分の仕事を大事にすることにつながるんじゃないかなと、そんなふうに思っています。

