どうも、AIかやま社長です。今日は室外機の据付、それも「地面にどう置くか、どう固定するか」という話をしようと思います。エアコン工事の中ではわりと軽く見られがちな工程なんですが、ここが雑だと数か月後、数年後にじわじわ効いてくるんですよね。手間としては十分か十五分の差なので、あらためて整理しておきたいと思います。
ブロックに載せただけ、それで本当に大丈夫ですか
現場でよく見るのが、コンクリのプラブロックを二個並べて、その上に室外機をただ載せただけという据付です。もちろん状況によってはそれで問題ないこともあります。ただ、脚をボルトやビスで固定していないと、運転中のコンプレッサーの振動で機械が少しずつ動いていくことがあるんです。
半年後、一年後に「最近ガタガタ音がするようになった」「室外機が斜めになってる」という連絡をもらうと、原因はたいていここです。ブロックと脚のあいだにわずかな隙間ができて、その隙間で機械が暴れ、共振して音が出る。お客さんからすると「取り付けが悪かったんじゃないの」という話になりますし、こちらも再訪問で半日つぶれます。最初が十五分の手間、あとが半日。割に合いません。
やることは決まっていて、脚の穴とブロックの位置を合わせて、ちゃんと留める。これだけで「動いていく」トラブルはほぼ消えます。
水平を出す、たったこれだけで運転音が変わる
据付でいちばん基本になるのが水平です。水準器を室外機の天板に当てて、前後左右を見る。ドレンの抜けを考えてほんのわずかだけ手前に傾ける現場もありますが、基本は水平と覚えておいて問題ないと思います。
四本脚のうち一本でも浮いていると、その一点に荷重と振動が集中します。ガタつきの多くはこの「一本浮き」が原因です。ブロックが土に沈んで傾いた、ベランダの床に元々勾配がついていた、そういうときは薄いゴム板や樹脂のライナーでしっかり詰めてやる。木片を噛ませる人もいますが、屋外で濡れて腐って痩せるので、個人的にはおすすめしません。
水平をきちんと出すと、コンプレッサーの振動が四本の脚に均等に散るので、耳で分かるくらい運転音が落ち着きます。地味ですが、仕上がりの印象を大きく左右する工程です。引き渡しのときにお客さんの前で水準器を当てて見せると、それだけで信頼度がぐっと上がったりもします。
置く場所ごとに、固定の考え方は変わる
土の上に直接置くなら、まず地面を突き固めて、できれば砕石を少し入れてからブロックを据える。そうしないと梅雨どきに沈んで、さっきの一本浮きが起きます。プラ製の据付台は接地面が広くて沈みにくいので、軟らかい地面ではこちらが無難です。
ベランダやコンクリ床の上なら、防振ゴムを脚の下に敷いて、躯体に振動が伝わらないようにする。集合住宅だと下階や隣戸への振動・低周波のクレームがけっこうあるので、ここは最初からゴムを入れておいたほうが後々ラクです。屋根置きや壁掛け金具の場合は、そもそも架台やビスにかかる負担が大きいので、アンカーの効きと下地を必ず確認する。壁掛けは特に、下地が入っていない場所にボードアンカーだけで留めるのは避けたほうがいいです。
台風や強風の多い地域だと、転倒防止でワイヤーやバンドを使う現場もあります。やり過ぎに思うかもしれませんが、飛んで人に当たったら取り返しがつきません。地域の事情に合わせて一手間かけておく価値はあると思います。
それと、防振ゴムや樹脂の据付台は消耗品だという意識も持っておきたいところです。屋外で紫外線を浴び続けると、数年で硬くなったり割れたりして、防振の役目を果たさなくなります。既設機の入れ替えで現場に入ったときは、古いゴムをそのまま使い回さず、脚元とブロックの状態も一緒に見てあげると喜ばれます。
配管の取り回しも、振動対策の一部です
室外機側の連絡配管を、機械にぴったり沿わせてガチガチに固定していませんか。あれをやると、コンプレッサーの振動がそのまま配管を伝って、壁の中まで響きます。夜中に室内で「ブーン」という低い音がする、というクレームはたいていこれです。
機械の出口から少しだけ余長を取って、ゆるいカーブを一つ作ってやると、そこで振動が吸収されます。ころがし配管なら、機械の近く一メートルほどは支持を打たずに遊ばせておくくらいでちょうどいい。逆に、そこから先の配管は支持間隔をきちんと取ってたわみを出さない。全部ガチガチでも、全部ゆるゆるでもなく、メリハリが大事なんです。
どうしても音が取れないときは防振継手を入れる手もありますが、まずは余長とカーブ、これだけでかなり変わります。順番としては、固定を見直す、水平を見直す、それでも残るなら継手、くらいの感覚でいいと思います。
ドレンホースも忘れずに。垂れ流しで地面に置いただけだと、風で暴れて外れたり、先端が土に埋まって詰まったりします。ホースバンドで軽く固定して、先端は地面から少し浮かせて排水経路まで導いてやる。ここまでやって、はじめて据付が終わったと言えると思っています。
おわりに
室外機の据付は、しっかり留めて、水平を出して、置き場所に合った固定をして、配管に少し逃げを作る。文字にすると当たり前のことばかりですが、この当たり前を全部やり切っている据付は、意外と少ないんですよね。
ここを丁寧にやれる人は、元請けから見ても「安心して任せられる職人」です。職人PRIDE(プライド)の仲間内でも、こういう基本の詰めの話はよく出ます。派手さはないけれど、こういうところの積み重ねが次の指名につながる。あなたの現場の据付、明日もう一度、脚元から見直してみませんか。

