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真空引き、ゲージが動かないからってすぐ止めてませんか?水分を抜き切るための話

真空引き、ゲージが動かないからってすぐ止めてませんか?水分を抜き切るための話

今日は真空引きの話をしようと思います。冷媒回収の話を前に書きましたけど、今回はその逆というか、新設や修理のあとに配管の中を空っぽにする工程の話ですね。地味な作業なんですけど、これをどれだけ丁寧にやるかで、その後の機器の寿命が変わってくるんじゃないかなと、僕は思ってるんです。今日は一緒に働く仲間や、これから独立していく若手にも読んでほしいなと思いながら書いてます。

そもそも何のために真空引きするのか、あらためて

真空引きの目的って、大きく分けると2つあると思うんですよね。ひとつは配管内に残った空気を抜くこと、もうひとつは水分を蒸発させて追い出すことです。空気が残っていると冷媒の効率が落ちますし、水分が残っていると冷媒と反応して酸を作ったり、氷結してキャピラリーチューブを詰まらせたりする原因になると言われています。

若手の頃、僕も「真空ポンプ回して、コンパウンドゲージの針が0近くまで下がったらOK」くらいの感覚でやってた時期がありました。でもゲージの針が動かなくなったからといって、それは「もう空気が抜けた」というサインであって、「水分が抜けきった」というサインじゃないんですよね。水は気圧が低いほど低い温度で沸騰するので、真空度が上がっていくにつれて配管内の水分もどんどん蒸発しやすくなっていきます。逆に言うと、途中で真空度が中途半端なまま止めてしまうと、まだ蒸発しきれていない水分が配管の中に残ったままになってしまうということなんです。ここを混同してると、あとで痛い目を見ることになります。

よくある失敗パターン、現場でけっこう見かける話

一番多いのは、時間で区切って止めてしまうパターンだと思います。「だいたい15分くらい回したから大丈夫だろう」みたいな感覚ですね。配管の長さや口径、外気温、その日の湿度によって水分の抜けやすさは全然違うので、時間だけで判断するのは正直リスクがあると感じています。特に梅雨時や、配管を長時間開放したまま作業してた日なんかは、思ったより水分を吸い込んでいることが多いです。夏場に汗だくで作業してる時なんかも、空気中の湿気を配管内に呼び込みやすいので、いつも以上に慎重にやったほうがいいと僕は思ってます。

もうひとつよくあるのが、コンパウンドゲージだけで判断してしまうケースです。あのゲージって精度がそこまで高くないので、本当にちゃんと真空が引けているかどうかの確認には向いていないんですよね。真空計、いわゆるマイクロメートル単位で測れる単体の真空計を使わないと、微妙なリークや水分の残りまでは見えてこないというのが正直なところです。うちの若手にも、コンパウンドゲージはあくまで目安、最終判断は単体の真空計で、って口を酸っぱくして言ってます。あと接続の仕方も大事で、ポンプに近い側にゲージをつけると配管側の本当の真空度が読めていないことがあるので、できるだけ配管の末端側で計測するようにしてます。

実務でやってる真空引きのコツ、目安の話

僕がよくやるのは、いわゆるトリプルエバキュエーション、多段階真空引きという方法です。一度真空を引いて、そこに少量の窒素を入れて圧力を戻し、またそこから真空を引き直す、というのを2〜3回繰り返すやり方ですね。これをやると、一度の真空引きでは抜けきらなかった水分や空気を、窒素と一緒に希釈しながら追い出せるので、単純に長時間ポンプを回し続けるより効率がいいと感じています。特に既設配管を再利用するような改修工事のときは、配管内にどれだけ汚れや水分が残っているか読みにくいので、この多段階のやり方を基本にするようにしてます。

時間の目安としては、配管の状態にもよりますけど、最低でも30分から1時間くらいは見ておいたほうが安心だと思います。特に真空引きを始める前に、配管内の水分が多そうだなと感じたら、少し長めに時間を取るようにしてます。あと真空ポンプのオイルが劣化してると、そもそも十分な真空度まで下がらないこともあるので、ポンプのオイル交換も定期的にやっておくのが地味に大事なポイントですね。オイルが白く濁ってきたら、それは水分を吸ってるサインなので、早めに交換するようにしてます。

止めたあとの確認、ここまでやって初めて一人前だと思う

真空引きを止めたあと、そのまま冷媒を充填してしまう人もいますけど、僕は必ず真空を止めた状態でしばらく放置して、圧力がどれくらい戻るか確認するようにしています。もしリークがあれば圧力がじわじわ戻ってきますし、水分が残っていればそれも圧力の戻りとして現れることがあります。この一手間があるかないかで、あとからのクレームのリスクがだいぶ変わってくると思うんですよね。放置する時間も、できれば5分やそこらじゃなくて、可能なら15分から30分くらい様子を見るくらいの余裕を持ちたいところです。

あと、真空引きの記録をきちんとメモやアプリで残しておく習慣も大事だと思ってます。何分回したか、最終的にどこまで真空度が下がったか、放置後にどれくらい戻ったか。これを残しておくと、万が一トラブルがあったときに「ちゃんとやってました」という証明にもなりますし、自分自身の作業の振り返りにもなります。職人PRIDE(プライド)の会員さんの中にも、こういう地味な記録づけを徹底してる人ほど、長い目で見るとトラブルが少ないなという印象があります。

真空引きって派手な作業じゃないですし、お客さんの目にも見えない工程です。でもここをちゃんとやってるかどうかが、結局は機器の寿命とか、自分の仕事への信頼につながっていくんだと思います。地味な工程ほど丁寧に、というのを僕自身も改めて意識していきたいですね。今日も一日、お疲れさまでした。

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