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一人親方でも、ひとりじゃない。困った時に頼れる関係の作り方

一人親方でも、ひとりじゃない。困った時に頼れる関係の作り方

正直な話、独立したばかりの頃は「一人でなんでもできなきゃダメだ」って肩に力が入ってたんですよね。でも十何年もこの仕事をやってきて思うのは、一人親方って言葉の「一人」は、現場に立つのが一人ってだけで、仕事そのものは決して一人じゃ回せないってことなんです。今日はそのへんの話を、自分の経験も交えて書いてみようと思います。

独立したての頃、誰にも聞けなくて怖かった夜のこと

独立してすぐの頃、初めて経験する工事でつまずいて、夜中に一人で図面とにらめっこしてたことがあります。前の会社にいた時なら先輩に聞けば一発で解決したようなことでも、独立すると「聞く相手」がいないんですよね。プライドもあって、なかなか同業者に弱みを見せられなかったっていうのもあります。

結局その時は朝まで悩んで、翌朝取引先の年配の職人さんに恐る恐る電話したら、あっさり教えてもらえて拍子抜けした記憶があります。あの時思ったのは、聞けないんじゃなくて、聞ける相手をそもそも作ってなかっただけなんだなってことでした。技術以前に、人間関係の土台ができてなかったんですよね。

今は逆の立場で、独立したての若い職人さんから連絡をもらうことがあります。以前の自分がそうだったからこそ、多少的外れな質問でも、できるだけ嫌な顔せずに答えるようにしてるんです。あの時の年配の職人さんが電話口で笑いながら教えてくれた感じを、今度は自分がやる番なんだろうなと思っています。

現場でトラブった時、真っ先に頭に浮かぶ顔はいますか

今でも現場で「あれ、これ見たことないぞ」ってなる場面はあります。そういう時、スマホの電話帳を開いて、迷わず押せる番号がいくつあるかって、地味に大事だと思うんですよね。技術的なことを聞ける人、道具を貸してくれる人、急な欠員の時に代わりに入ってくれる人。役割は違っても、そういう「困った時の顔」が何人いるかで、一人親方としての安定感がぜんぜん変わってきます。

逆に言うと、そういう関係が一人もいない状態で独立するのは、正直かなり危ういと思っています。技術があっても、体調を崩した時や急なトラブルの時に代わりがいないと、仕事自体が止まってしまいますから。若い職人さんには、腕を磨くのと同じくらいのエネルギーを、こういう横のつながり作りにも使ってほしいなと思います。

うちで実際にあった話ですが、急に体調を崩して現場に入れなくなった職人さんの代わりを、付き合いのあった別の業者さんが二つ返事で引き受けてくれたことがあります。普段からちょっとした差し入れをしたり、逆に頼まれたら手伝ったりっていう積み重ねがあったからこその話で、あの時ばかりは持つべきものは仲間だなと素直に思いました。

情報も仕事も、下心なしで回してる人のところに集まってくる

面白いなと思うのは、普段から損得抜きで情報や仕事を回してる職人さんのところには、自然と情報も仕事も集まってくるってことです。逆に「自分の得になる時だけ連絡する」みたいな付き合い方をしてると、いざという時に誰も助けてくれなくなるんですよね。これは業界に限った話じゃないと思いますが、現場仕事は特にそれが顕著な気がします。

うちの周りでも、手が空いた時に「今日暇だから何か手伝うことある?」って連絡をくれる職人さんが何人かいます。逆にこっちが暇な時は同じように声をかける。損得を細かく計算しない、そのくらいのゆるいギブアンドテイクが、長く続く関係のコツなんじゃないかと感じています。見返りを期待して動くと、続かないんですよね、不思議と。

材料費が急に値上がりした時とか、新しい工具や部材の情報なんかも、こういう横のつながりから入ってくることが多いです。メーカーのカタログや業界誌より先に、現場で使ってる職人さんの生の感想が耳に入ってくるほうが、よっぽど参考になったりするんですよね。

職人PRIDE(プライド)というコミュニティに期待していること

そんな中で、職人PRIDEという会員サイトをやってる理由のひとつも、まさにこの「困った時に頼れる関係」を、会社や年代を超えてもう少し広げられたらという思いからなんです。同じ現場で会ったことがなくても、同じ悩みを抱えてる職人さん同士が緩くつながれる場所があれば、独立したての頃の自分みたいに一人で抱え込む夜も減るんじゃないかなと思っています。

職人プライドという名前には、腕一本で食べていく誇りって意味も込めてるんですが、その誇りは一人で守るものじゃなくて、周りに支えてもらいながら育てていくものだと個人的には思っています。会員の皆さんとも、そういう関係を少しずつ作っていけたらうれしいですし、そのための場としてこのサイトを育てていきたいなと考えています。

正直な話、業界全体で見ても「一人でなんとかしなきゃ」って抱え込んでる職人さんはまだまだ多い気がします。だからこそ、こういうゆるいつながりの価値を、もっと当たり前のものにしていきたいんです。会社としても、会員さん同士が現場や地域を超えて顔を合わせられるような機会は、これからも少しずつ増やしていくつもりでいます。

一人親方って言葉だけ聞くと孤独な響きがありますけど、実際にうまくやってる人ほど、周りとの関係づくりがうまいなと感じます。今日ちょっとでも、電話帳の中の「困った時に頼れる顔」を思い浮かべてもらえたら、それだけで書いた甲斐があります。

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