今日は少し地味だけど、めちゃくちゃ大事な話をしようと思うんですよね。工事は終わった、請求書も出した。でも手元に現金が入ってくるのは翌月末とか、下手すると翌々月。その「空白の期間」をどう乗り切るかって、一人親方をやってると絶対に一度はぶつかる壁だと思うんです。
売上はあるのに現金がない、という矛盾
帳簿上は儲かってるはずなのに、口座を見ると心臓に悪いくらい減ってる。これ、一人親方なら「あるある」だと思うんですよね。材料は先に自分で立て替えて買って、人を頼んだ日は先に賃金を払って、それでようやく工事が終わって請求書を出して、そこから支払いまでさらに1〜2ヶ月。売上は確かに立ってるのに、手元の現金はその間ずっとマイナス方向に減っていく。これを「黒字倒産」の入り口なんて言う人もいますけど、そこまで大げさじゃなくても、資金繰りがきつくなるタイミングって本当に突然来るんです。
特に秋から冬にかけては、工事が立て込んで材料費の立て替えが重なりやすい時期でもあるんですよね。1件の支払いサイトだけ見てたら気づかないけど、複数の現場が同時に走ってると、立て替えの合計額が思ってたより大きくなってて焦る、というのは私もよく聞く話です。
「支払いサイト」を自分の中で把握しておく
これ、すごく実務的な話なんですけど、取引先ごとに「請求してから何日後に支払われるか」をちゃんと把握してますか、という話なんです。感覚で「まあそのうち入るだろう」とふわっと捉えてると、いざお金が必要な時に「あれ、まだ入ってない」と焦ることになる。元請けによって支払いサイトは本当にバラバラで、月末締め翌月末払いのところもあれば、翌々月払いのところもあります。
職人PRIDEのような協力業者の仕組みを使っている場合は、個別に請求先がバラバラになるより支払いの流れが整理されて見通しやすくなるという声もよく聞きます。協力業者としてまとまった窓口とやり取りする働き方と、現場ごとに別々の取引先と個別契約する働き方だと、資金繰りの読みやすさがかなり違ってくる、というのは実感として大きいところだと思うんですよね。
材料費の立て替え、どこまで自分で背負うか
材料費の立て替えについても、一度自分なりのルールを決めておくといいと思うんです。小さい部材くらいなら自分で先に買って請求書に乗せる、でも大口の材料や設備機器みたいに金額が大きいものは、できるだけ元請けや現場の窓口に直接手配してもらう、というふうに線引きしてる職人さんは多いです。立て替え額が大きくなるほど、資金繰りへの影響も大きくなりますから、ここは「全部自分で抱える」のが偉いわけじゃなくて、どこまで背負うかを事前に決めておくことが大事なんだと思うんですよね。
あと、材料を買うタイミングも地味に効いてきます。工事の直前にまとめて買うより、ある程度前から分散して買っておくと、1回あたりの出費のピークが和らぐというのも、長年現場をやってる職人さんから聞いた知恵のひとつです。
手元に置いておく「クッション」の目安
資金繰りで一番怖いのは、支払いが重なるタイミングで手元の現金が尽きることです。だからこそ、普段から「このくらいは常に残しておく」というクッションの目安を自分なりに持っておくことをお勧めしたいんですよね。目安としては、月々の固定費と材料費の立て替え分を合わせて、1〜2ヶ月分くらいは手元に置いておけると安心だと言われています。もちろん個人の状況によって必要な額は変わるので、絶対にこの数字というわけではないですが、「ゼロに近づいたらヤバい」というラインを自分の中で持っておくだけでも、気持ちの余裕はかなり違ってくると思うんです。
資金繰りが苦しくなった時に慌てて高い金利の借入に走るより、先に支払いサイトを把握して、必要なら元請けや職人プライドの窓口に早めに相談しておく方がよっぽど健全です。一人で抱え込まずに、早めに「ちょっと資金繰りが厳しそうなんですけど」と言える相手を持っておくことも、立派な資金繰り対策のひとつだと思うんですよね。
というわけで今日は資金繰りの話でした。売上と現金は別物、というのを頭の片隅に置いて、焦らず乗り切っていきましょう。

