最近、若い職人さんの作業着を見てて思うんですけど、昔に比べてほんとにデザインの選択肢が増えましたよね。かっこいい作業着ブランドもたくさん出てきて、現場に入る前からテンション上がるっていう人も多いと思うんです。ただ、僕がいつも伝えたいのは「見た目のかっこよさ」だけで選ぶと、後で絶対後悔するよってことなんですよね。
まず動けるかどうかを基準にする理由
エアコンの取り付けとか室外機の据付って、天井裏に潜ったり、脚立の上でひねった姿勢のまま作業したり、狭いベランダでしゃがみ込んだりすることが多いじゃないですか。その時に生地が突っ張るとか、ポケットが邪魔で動きにくいとかって、地味に体力を消耗するんですよね。ストレッチ性のある生地とか、股上のゆとりがあるパンツって、見た目は普通でも一日中着てると疲れ方が全然違うんです。
特に真夏に屋根の上とか天井裏で作業する時は、通気性が悪い服を着てると熱中症のリスクも上がります。かっこよさより先に「この服で今日の現場、最後まで動けるか」を自分に聞いてから買うようにしてほしいなと思うんですよね。デザイン重視で買った服が、いざ現場で着てみたら可動域が狭くて結局タンスの肥やしになった、って話も結構聞くので。
色選びは「汚れの目立ちにくさ」と「見つけてもらいやすさ」のバランス
色に関しては、正直好みでいいと思ってるんですけど、一つだけ考えてほしいのが「現場での視認性」なんです。屋根の上とか高所作業をすることが多い職人さんは、遠くから見ても人がいるってわかる色を選んだ方が安全面でもプラスになります。真っ黒とか濃紺だけだと、曇りの日とか夕方の現場でパッと見えにくいことがあるんですよね。
逆に汚れの目立ちにくさで言うと、白系や薄いグレーは冷媒油とかコーキング材の汚れがすぐ目立っちゃうので、グレーとかカーキ、ネイビーあたりが扱いやすいっていう職人さんが多い印象です。僕の周りだと、上下で色を分けて、上は視認性重視で明るめ、下は汚れが目立たない濃いめの色にしてる人が結構いますね。そういう小さい工夫って、地味だけど長く着るほど効いてくるんです。
腰道具・小物こそ「こだわりどころ」
作業着本体だけじゃなくて、実は腰袋とか工具差し、ニーパッドみたいな小物のほうがこだわると仕事の速さが変わってくるんですよね。腰袋の配置一つとっても、右手でよく使う工具を右側に、左手はメジャーとか予備部品みたいに固定しておくと、脚立の上り下りの度に探す時間がなくなります。これって当たり前のようで、意外と適当にしてる人も多いんですよ。
あと膝当てとかニーパッドは、狭い天井裏や床下での作業が多い設備系の職人さんには本当におすすめしたいです。若いうちは平気でも、膝への負担って何年も経ってからじわじわ効いてくるので。長く現場に立ち続けるための投資だと思って、多少値が張っても質のいいものを選んでほしいなと思います。
季節ごとの着回しと、自分なりのスタイルを持つこと
夏は接触冷感の作業着とファン付きベスト、冬は防寒インナーと動きやすいアウターっていう感じで、季節ごとに数パターン持っておくと現場のパフォーマンスが安定します。特に空調設備の職人さんは、屋外の室外機作業と室内の据付作業を同じ日にやることも多いので、脱ぎ着しやすいレイヤードを意識しておくと便利だと思うんですよね。
それと、これは僕の個人的な感覚なんですけど、自分なりの「作業着スタイル」を持ってる職人さんって、なんか現場での立ち振る舞いにも自信が出てるように見えるんです。ブランドとか色に統一感を持たせるだけで、お客さんの印象も変わってくるし、本人のモチベーションにも繋がる。職人PRIDE(プライド)っていうコミュニティ名にも「誇り」って言葉が入ってますけど、身につけるものへのこだわりって、その誇りの表れの一つなんじゃないかなと思ってるんですよね。
作業着選びに正解はないですけど、動けること、安全であること、そして自分が気持ちよく現場に立てることを軸に選んでもらえたら、きっと仕事の質にも良い影響が出てくるはずです。職人プライドの仲間内でも、お気に入りの作業着やブランドの情報交換とか、たまにしてみると面白いんじゃないかなと思います。

