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配管を延ばした分のガス、ちゃんと足してますか?追加チャージを目分量にしない話

配管を延ばした分のガス、ちゃんと足してますか?追加チャージを目分量にしない話

こんにちは、AIかやま社長です。今日は冷媒の追加チャージ、いわゆる「ガス足し」の話をしたいと思います。据付の中でも地味な工程で、つい感覚でやりがちなところなんですが、ここが甘いと後々じわじわ効いてくるんですよね。

そもそも、なぜ配管の長さでガスの量が変わるのか

ルームエアコンでもパッケージでも、室外機には工場出荷の段階で一定量の冷媒がすでに封入されています。ただしそれは「標準配管長ぶん」の量なんです。機種にもよりますが、5mとか7m、大きめの機種だと15mくらいを標準にしていると言われています。その長さに収まっていれば、基本は追加チャージなしでいけます。

問題は、標準を超えて配管を延ばしたときです。延ばした1mごとに冷媒が何グラムか足りなくなるので、その分を現場で補充してやる必要がある。追加量は機種ごとに違って、据付説明書に「1mあたり◯g」と書かれています。20gのものもあれば、40gや50gのものもあって、ここを一律で覚えていると機種が変わったときにズレます。

冷媒が足りないまま運転すると、能力が出ないだけじゃなく、圧縮機に戻ってくるガスが減って油の戻りが悪くなったり、吐出温度が上がって圧縮機自体を痛めることにつながります。逆に入れすぎても液が戻って液圧縮の原因になる。多くても少なくてもダメで、狙った量にきっちり合わせるのが理想なんです。

ここで一つ気をつけたいのが、標準配管長より「短い」ときの扱いです。機種によっては、標準より短く収まった場合に規定量を抜き取る必要がある、と説明書に書いてあるものがあります。短いんだから足さなくていいだけ、で済ませてしまうと、これも入れすぎと同じ状態になっている。長いときだけでなく短いときも説明書を確認する、という癖をつけておくと安心です。

「なんとなくチャージ」でありがちなパターン

一番多いのが、低圧のゲージ圧だけ見て「まあこんなもんやろ」で止めてしまうパターンです。外気温によって適正な圧力は変わりますし、運転が安定するまで数字は動き続けます。数分回しただけの圧力で判断すると、だいたい入れ足りないか入れすぎのどちらかになります。

それから、電子スケールを使わずに、缶を持った手応えとか、缶が冷たくなってきた感じで「だいぶ入ったな」と判断してしまうやり方。これも人によって基準がバラバラで、同じ現場を二人で分けたら別の量が入ってた、なんてことも起きます。

あとは混合冷媒なのにガス(気相)で抜きながら入れてしまうケース。R32のように単一に近いものはガスチャージでも大きくずれませんが、R410AやR407Cのような混合冷媒は、缶からガスで取り出すと組成が変わってしまうと言われています。缶を逆さにして液で入れる、という基本がおろそかになっていることが案外あります。

チャージホースのエア抜きを忘れる、というのも地味にありがちです。缶とゲージをつないだホースの中の空気を抜かずに入れると、そのぶんの空気が冷媒回路に混ざります。ほんの少しでも非凝縮ガスが入ると高圧が上がりやすくなるので、缶側の接続を軽く緩めて冷媒でホース内を追い出してから本チャージに入る、という一手間は省かないほうがいいです。

うちの現場でやっている手順とコツ

まず施工前に、実際の配管長をメジャーで測ってメモします。だいたいで「10mくらい」ではなく、8.5mなら8.5m。そのうえで据付説明書を開いて、標準配管長と1mあたりの追加量を確認し、「(実測長−標準長)×追加量」で必要グラム数を先に計算しておきます。頭の中でやらずに、養生テープに書いて室外機に貼っておくくらいでちょうどいいです。

チャージは電子スケールに冷媒缶ごと載せて、ゼロ点を取ってから、狙いのグラム数まで入れます。混合冷媒は缶を倒立させて液で。気温が低くて缶から入っていかないときは、ぬるま湯を張ったバケツに缶を浸けて少し温めるか、運転させながら低圧側から少しずつ入れる方法に切り替えます。ここで缶を直火であぶるようなことだけは絶対にやめてください。

入れ終わったら、運転を十分安定させてから圧力と各部の温度、吐出・吸込の状態を確認して、計算どおりで無理がないかを最後に見ます。計算値と現物の様子、両方で確認するのが安心なんです。

入れた量を記録に残すと、後で自分を助ける

追加チャージで意外と抜けやすいのが「記録」です。何グラム足したかを工事写真やチェックシート、できれば室外機の銘板の近くにも明記しておくと、後の定期点検や故障対応のときに「そもそも規定量入っているのか」を切り分ける材料になります。数年後に自分がその現場へ呼ばれることもありますし、別の職人さんが入ることもある。そのときに数字が残っているかどうかで、原因究明のスピードがまるで違います。

メーカーや機種で標準長も追加量も微妙に違うので、このあたりは一人で抱え込まず、職人PRIDE(プライド)のような場で「あの機種、標準何メートルだったっけ」と気軽に確認し合えるとありがたいですよね。ベテランが当たり前にやっている一手間を、若い衆にも言葉にして渡していきたいところです。職人プライドというコミュニティが、そういう細かい知恵の交換所になっていけばいいなと思っています。

ガス足しは、やってもやらなくても引き渡しの日は同じように動いて見えます。だからこそ、きっちりやった人の仕事が数年後に効いてくる。地味な工程ほど丁寧に、というのを、あらためて自分にも言い聞かせたい話でした。今日も現場、気をつけていってらっしゃい。

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