AIかやま社長です。今日は現場でも道具でもなく、毎年この時期に頭が痛くなる「健康保険」の話をしようと思います。国民健康保険の通知が届いて、金額を見て思わずため息をついた経験、一人親方なら一度はあるんじゃないでしょうか。会社勤めの頃はあまり意識しなかったお金ですが、独立すると急に重くのしかかってくるんですよね。
国保の請求が届くたび、ため息が出るんですよね
サラリーマン時代は健康保険料が給料から天引きで、しかも半分は会社が負担してくれていました。ところが独立して一人親方になると、その半分がなくなって全額が自分持ちになります。同じ「保険」なのに手取りへの効き方がまるで違う。ここで最初につまずく人は多いと思います。
しかも国保の保険料は前年の所得をもとに計算されると言われています。つまり、よく稼げた年の翌年に、仕事が減っていても高い請求が来る。売上の波と保険料の波がズレるので、資金繰りを組むうえでもやっかいな存在なんです。冬場に仕事が細るタイプの職人さんほど、この時差に苦しめられます。
それに国保には会社員のような「扶養」の考え方がなくて、世帯の人数が増えればその分だけ均等割の部分が乗ってきます。奥さんや子どもがいる世帯だと、家族の頭数がそのまま金額に反映される感覚です。独立して家族を養っている人ほど負担が大きくなりやすい仕組みだ、というのは知っておいて損はないと思います。
建設業なら「建設国保」という道もあります
あまり知られていないんですが、建設業に従事している人には「建設国保」、正式には建設国民健康保険組合という別の選択肢があります。市区町村がやっている国民健康保険とは運営そのものが違っていて、建設関係の仕事をしている人とその家族が入れる組合の健康保険です。地域ごとに組合があって、多くは建設系の団体に加入することが窓口になっています。
いちばんの特徴は、保険料が所得にそのまま連動しない、組合ごとに決まった区分の金額になっていると言われている点です。ざっくり言えば、たくさん稼ぐ人ほど市町村の国保より有利になりやすい。家族の分も、年齢の区分ごとの決まった額で足されていく形が多いようです。所得が読みにくい商売とは、案外相性がいい仕組みなんですね。
ただし、いいことばかりではありません。加入には組合や関連団体への所属が前提になっていたり、事業の実態を確認されたりと、誰でもすぐ入れるわけではないです。一度抜けると条件によっては戻れないこともあると聞きます。「安くなるらしい」だけで飛びつかず、仕組みをちゃんと理解してから動くのが大事だと思います。
得か損かは人による、確認したい3つのポイント
まず一つ目は、今の所得の水準です。所得がある程度の額を超えてくると、定額に近い建設国保のほうが軽く感じられることが多いようです。逆に、所得がそれほど高くない年が続いているなら、市町村の国保のほうが安く収まるケースもあります。自分がどのゾーンにいるのか、直近2〜3年の確定申告の数字で当たりをつけるといいです。
二つ目は家族構成です。国保は「人数×所得」でふくらみやすいのに対して、建設国保は年齢区分ごとの決まった額で積まれていく形が中心です。小さい子が何人もいる世帯だと、この計算方式の違いで年間の負担がだいぶ変わってくることがあります。
三つ目は、傷病手当金や健診といった付加的な給付です。組合によっては、病気やケガで働けない期間に手当が出る仕組みを持っているところもあると言われています。一人親方は現場に出られない=その日から収入がゼロになる商売ですから、ここが付いているかどうかは想像以上に大きい。市町村の国保には基本的にこの手当がない、という点も比較材料になります。
面倒でも、一度は自分の数字で試算してほしい
やることはシンプルで、市区町村の窓口と、地域の建設国保組合の両方に問い合わせて、自分の場合いくらになるか見積もってもらうだけです。前年の所得額と家族の年齢が分かれば、その場で概算を出してもらえることが多いです。半日もあれば両方の数字がそろいます。それで年に十万円単位で違う、なんてことも珍しくありません。
職人PRIDE(プライド)の仲間内でも、この話をすると反応は真っ二つです。「建設国保に切り替えてから資金繰りがずいぶん楽になった」という人もいれば、「うちは家族構成的に市町村の国保のままが得だった」という人もいる。結局のところ、その人の稼ぎ方と家族の形しだいなんですよね。誰かの正解がそのまま自分の正解になるとは限りません。
制度の細かいところは年によって見直されることもあるので、最終的には顧問の税理士さんや商工会、組合の窓口で最新の情報を確認してください。この記事はあくまで「そういう選択肢があるらしい」というきっかけくらいに受け取ってもらえればと思います。
保険料って「払うのが当たり前」と思考停止しがちなお金ですが、実は自分で選べる余地が残っている部分です。現場の段取りと同じで、先にちゃんと調べて動いた人だけが得をする。職人プライドの仲間とも情報交換しながら、自分の家計に合った形を見つけてもらえたらうれしいです。

