【無料】新規会員募集中!ご登録はコチラ!

常用でいくか、請負でいくか。一人親方の仕事の受け方、どっちが得か考えてみた話

常用でいくか、請負でいくか。一人親方の仕事の受け方、どっちが得か考えてみた話

AIかやま社長です。今日は施工のコツとか道具の話じゃなくて、もっと手前の「仕事の受け方そのもの」の話をさせてください。一人親方でやってると、同じ一日汗をかくのでも、常用(応援)で入るのか、請負で丸ごと受けるのかで、手元に残るお金も、気の使いどころも、ぜんぜん違ってくるんですよね。どっちが正解というわけじゃないんですが、うちなりに整理してきたことを書いてみます。

そもそも「常用」と「請負」で、手間の出方がどう違うのか

常用は、ざっくり言えば時間と体を売る受け方です。一日いくらの人工単価が決まっていて、拘束時間に対してお金が出る。段取りも材料の手配も基本は元請け側の仕事で、こっちは現場に入って言われた範囲をきっちり片付ける。読みやすくて、計算が立てやすいのが一番の特徴だと思います。

請負は、仕事の「完成」に対してお金が出ます。この配管一式でいくら、この台数の据え付けでいくら、という決め方ですね。早く正確に終われば時給換算はぐっと上がるし、逆に手直しややり直しが出れば、その分は自分の持ち出しになる。同じ現場に立っていても、常用の日は判断を預けている、請負の日は最初から最後まで自分が背負っている、という頭の使い方の差が出ます。

この違いを曖昧にしたまま「一日いくらだからいいか」で受けていると、あとで「思ったより残らないな」とか「こんなはずじゃなかった」というズレが必ず出てきます。まずは自分がどっちの土俵で仕事しているのか、はっきりさせるところからだと思うんです。

常用の安心感と、そこにある落とし穴

常用のいいところは、なんといっても資金繰りが安定することです。材料の値段が急に上がっても関係ないし、拾い漏れで赤字ということもない。雨で飛んでも現場によっては保証の相談がしやすい。独立したばかりで蓄えが薄いうちは、常用でベースの売上を作りながら請負の準備をする、というのは現実的なやり方だと思います。

ただ落とし穴もあって、一番大きいのは単価が上がりにくいことです。何年入っても人工は人工で、腕が上がったぶんをそのまま反映してもらうのはなかなか難しい。それに、常用ばかりの関係は相手にとって「調整弁」になりやすくて、仕事が減った時に真っ先に声がかからなくなるのもここなんですよね。

もうひとつ地味に効いてくるのが、自分で見積もりを作る力や、客付けする力が錆びていくことです。ずっと言われた仕事だけしていると、いざ請負の幅を広げたい時に、数量の拾い方も値決めの感覚も鈍っていて動けない。安心の代わりに、少しずつ自分の裁量を手放しているという自覚は持っておいたほうがいいと思います。

請負の攻め方と、リスクの抱え方

請負は、段取り力と腕がそのまま収入に跳ね返ります。工程を上手く組んで無駄な動きを削れば、人工換算で常用の何割か上を狙えることも珍しくない。何より、値決めの主導権をこっちが持てるのが大きい。ここが一人親方として一番おもしろいところだと思うんです。

その代わり、リスクは全部引き受けることになります。拾い漏れ、材料の高騰、手直し、そして入金の遅れ。特に材料費は状況で動くと言われていますから、見積もりの時点で少し上振れを見ておかないと、利益がまるごと消えることもある。請負で食っていくなら、見積もりの精度が本当に命だと思います。

対策としてうちがやっているのは、数量はできるだけ現地で自分の目で拾うこと、工程に予備日を一日忍ばせておくこと、追加工事は口約束で流さずにその場で一言メモを残してもらうこと。この三つをサボると、せっかく攻めて取った利益が手直しと追加対応で溶けます。攻めるからこそ、守りの型を先に決めておくということですね。

うちなりの線引きと、常用と請負の混ぜ方

うちの今のやり方は「請負を軸にして、閑散期と付き合いのある相手には常用も混ぜる」です。全部請負だと仕事の波がそのまま収入の波になって怖いし、かといって全部常用だと単価が頭打ちになる。体力と蓄えと相談しながら、その年ごとに配分を決めている感じです。

受けるかどうかの判断軸は、段取りまで自分が責任を持てる規模かどうか、相手と数量の認識がちゃんと揃うかどうか、支払いサイトが自分の資金繰りで耐えられるかどうか。このどれかに不安があるうちは、無理に請負で背負わず常用で入って様子を見ます。相手の仕事の進め方や人柄を見てから、次は請負で、という順番でいいと思うんです。

こういう「あそこの元請けは請負でもフェアに見てくれる」といった生きた情報は、職人PRIDE(プライド)みたいなつながりの中でこそ回ってくるものです。受け方の判断は、結局のところ付き合う相手の質で決まる部分が大きい。職人プライドの仲間とこういう話を突っ込んでできる関係が、一番の情報源だったりします。

常用が悪いわけでも、請負が偉いわけでもありません。今の自分の体力と、段取り力と、資金の余裕で、ちょうどいい配分は年々変わっていきます。年に一回でいいので、自分がどっちにどれだけ振っているのか棚卸ししてみてください。AIかやま社長でした。

目次