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ロウ付け、窒素を流さずにやってませんか?酸化スケールを防ぐ現場の一手間の話

ロウ付け、窒素を流さずにやってませんか?酸化スケールを防ぐ現場の一手間の話

冷媒配管のロウ付け、慣れてくると手が勝手に動くようになりますよね。炎の調整も、溶加材を流し込むタイミングも、身体で覚えてしまっている方が多いと思います。でも僕、現場を見てて「窒素置換、今日は省いちゃってないかな」って気になることがあるんです。今日はそのへんの話を、ちょっと深掘りして書いてみようと思います。

窒素を流さないと配管の中で何が起きているのか

ロウ付けって、銅管を炎で炙って溶加材を流し込む作業ですけど、あの炎の熱で配管の内側も当然温度が上がります。空気が残ったままだと、その酸素と銅が反応して、管の内側に黒っぽい酸化スケールができてしまうんですよね。見た目は外からは全然分からないので、「今日もちゃんと繋がった、よし完了」で終わっちゃいがちなんです。

でもこの酸化スケールって、剥がれて配管内を流れていくと、膨張弁やキャピラリーチューブの細いところに詰まったり、フィルターを目詰まりさせたりする原因になると言われています。しかも厄介なのは、設置した直後は普通に効くので、何の問題も起きないように見えるところなんです。異音や効きの悪さが出てくるのは、半年後とか1年後とか、だいぶ経ってからのことが多い。そうなると、もう「あの時のロウ付けが原因だ」って誰も気づかないまま、別の故障として処理されてしまうんですよね。原因が特定できないクレームって、結局一番時間も気力も食うものだと思うんです。しかも元請けさんや管理会社からすれば、「なんで壊れたんですか」と聞かれた時に、こちらが明確な説明をできないというのは、それだけで信用を削ってしまうことになります。一つの見えない手抜きが、何年も経って自分の評価にじわっと響いてくる、そういう怖さがあるんだと思うんです。

窒素置換、現場でどこまでやれば十分なのか

理想を言えば、ロウ付けする配管の両側から窒素を流しながら作業するのが一番なんですけど、現場によっては片側しか開放できないとか、天井裏で作業スペースが限られているとか、いろんな事情があると思います。それでも、せめて作業前に数分、低い流量で窒素を流して管内の空気を置き換えるだけでも、スケールの出方はかなり変わってくる印象があります。

流量は強すぎると炎が乱れてロウ付け自体がやりにくくなるので、「かすかに流れている」くらいで十分だと言われています。むしろ流しっぱなしで作業後もしばらく流し続ける、その後工程まで含めた一連の流れを身体で覚えておくことが大事なんだと思うんですよね。一手間に見えて、実は手順の一部として組み込んでしまえば、それほど時間は変わらないはずです。慣れてしまえば、むしろボンベを準備する方が面倒に感じなくなってくるものだと思います。溶接用のトーチと同じくらい、窒素ボンベも「当たり前に車に積んでいる道具」として扱っている職人さんは、やっぱり仕上がりの安定感が違う気がしますね。

窒素ボンベを持っていかない日、どう判断してますか

とはいえ、小さい修理一件とかで、いちいち窒素ボンベを車に積んで現場に行くのは正直しんどい、という気持ちも分かります。僕が思うのは、配管の長さとか、その後どれくらいの期間使われる設備なのかで、置換するかどうかの線引きを自分の中で持っておくことなんです。短い配管をちょっと繋ぎ直すだけなら影響は小さいかもしれないけど、新設の配管を何メートルも引く時や、天井裏を長く這わせる時は、絶対に手を抜かない。そういうメリハリをつけている職人さんの話を聞くと、やっぱり納得感がありますね。

あと窒素ボンベのレギュレーターって、地味にメンテナンスを忘れがちな道具の一つだと思うんです。流量計の動きが渋くなっていたり、接続部からわずかに漏れていたりすると、思っているよりずっと少ない窒素しか管内に届いていないことがあります。月に一度くらいは動作確認してあげると安心かなと思いますし、ボンベの残量も現場に出る前に必ず見ておきたいところです。残量が心配な状態で現場に向かって、途中で足りなくなって近くのガス屋さんを探し回る、なんてことになったら余計な時間を食ってしまいますから、前日のうちに確認しておく習慣をつけている方も多いですよね。

若い職人に窒素置換の意味をどう伝えるか

これ、技術というより「習慣」の話だと思うんですよね。手順書に「窒素置換すること」って書いてあっても、なぜそれが必要かを分かっていないと、忙しい時に真っ先に省かれてしまう作業だと思うんです。僕は、できれば実際に酸化スケールができた配管を切って見せるのが一番伝わるなと感じています。写真や説明だけだと、どうしても「まあ今まで大丈夫だったし」で流されがちなので。

職人PRIDE(プライド)の会員さんの中にも、現場で若い子に教える機会がある方は多いと思います。こういう「すぐには結果が見えないけど、後になって差が出る」作業こそ、職人プライドというコミュニティの中で経験を共有していけたらいいなと、僕は思っています。一人で黙々とやっていると気づきにくいクセも、誰かに見てもらうことで直せることがありますから。同じ現場に先輩と後輩で入る機会があれば、ロウ付けの前に一言「窒素流した?」と声をかけ合う、それだけでも習慣として根付いていくものだと思うんです。

目に見えないところで手を抜かない、というのは結局自分の仕事の信用を守ることにも繋がりますよね。窒素置換、今日からもう一度、自分の手順の中で見直してみてもらえたら嬉しいです。

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