工具箱ひとつ、いくらくらい入ってるか、ちゃんと計算したことありますか。うちはこの前、ふと電動工具の値段を全部足してみたら、思ってたより一桁多くて自分でもびっくりしたんです。今日はそんな「工具一式が全部パーになったら」っていう、あまり考えたくない話をしてみようと思います。
工具は「資産」なのに、保険の話になると後回しになる
車上荒らしとか現場からの盗難の話は、職人同士でよく出ますよね。でもその時に話題になるのは「鍵をどうするか」「どこに置くか」っていう予防の話がほとんどで、「盗まれたらどう補填するか」まで考えてる人は意外と少ないと思うんです。うちも正直、最近まで同じでした。
特に空調屋や電気屋みたいに、真空ポンプやインパクト、測定機器まで揃えると、工具一式の価値は軽トラ一台分とか下手すると家電一式より高くなってたりします。それが火事でも盗難でも、一瞬でゼロになる可能性があるのに、「仕事道具だから自分で何とかする」で済ませてる人が多い気がするんですよね。
これって多分、工具を「消耗品の延長」みたいに感じてるからだと思うんです。でも一つ一つの単価を見ると、もう立派な資産なんですよね。資産だと思えば、守る手段を考えるのも自然な話だと思うんです。
うちの知り合いの職人さんで、現場の車上荒らしで工具をほぼ全部持っていかれた人がいるんですが、その時「保険に入ってなかったから、結局自腹でほぼ買い直した」って言ってたのが印象に残ってます。仕事の予定が詰まってる時期だったから、買い直す数十万円を一気に用意するのも大変だったし、何より「次の現場に行けない」っていうのが一番の痛手だったそうです。工具が無ければ稼げない、っていう当たり前のことを、そういう形で思い知らされるんですよね。
動産保険・工具盗難保険って、実際どこまで守ってくれるのか
一人親方向けの保険の中には、仕事で使う工具や機材を対象にした「動産総合保険」とか「工具盗難保険」みたいな名前のものがあると言われています。火災・盗難・水災など、工具が使えなくなる原因をいくつかまとめてカバーしてくれる、というのが基本的な考え方のようです。
うちが聞いた範囲だと、こういう保険は「工具一式まるごと」で契約するタイプと、「高額な機材だけ個別に」掛けるタイプがあるみたいです。例えば真空ポンプやレーザー測定器みたいな高いものだけ個別に、手道具は一式でまとめて、みたいな組み方をしてる職人さんもいるという話を耳にします。
ただ、保険の内容は会社やプランによって本当にバラバラなので、「入ってれば何でも補填される」と思い込むのは危ないです。このあたりは実際に加入を検討するときに、代理店や保険会社にちゃんと確認するのが一番だと思います。
あと、労災保険や傷害保険に入ってるから工具も大丈夫、と勘違いしてる人も時々います。労災や傷害保険はあくまで「人」が対象で、「物」である工具は別枠の話になるそうです。自分がどの保険に何のために入ってるのか、一度棚卸しして整理しておくと、こういう思い込みに気づきやすくなると思います。
入る前に見ておきたい、地味だけど大事なポイント
一つ目は「補償の上限額」です。工具一式の時価を甘く見積もって低い上限で契約してしまうと、いざ盗まれた時に全然足りない、ということもあり得るそうです。年に一度くらい、工具の総額をざっくり計算し直す癖をつけておくといいかもしれません。
二つ目は「免責金額」。これは「被害額のうちいくらまでは自己負担になるか」というラインのことで、保険によって違うようです。小さい盗難だと免責額を下回って保険が使えない、というパターンもあると言われているので、契約前にここは確認しておきたいところです。
三つ目は「車に積んだままの状態」が対象になるかどうか。工具は現場間の移動中、車の中に置いてる時間が結構長いですよね。車上荒らしの場合、保険の対象になるかならないかで条件が変わってくることがあるようなので、ここも契約時に聞いておく価値があると思います。
四つ目は「経年劣化による減額」です。新品で買った時の値段がそのまま補償されるわけではなく、使用年数に応じて評価額が下がっていく仕組みの保険もあるみたいです。何年も使い込んだ愛着ある工具ほど、実際の補償額は思ってるより少なくなることもあるので、そのギャップは最初に把握しておいた方が後悔しないと思います。
保険だけに頼らず、日頃の備えと組み合わせる
保険はあくまで「起きてしまった後」の話で、起きないようにする工夫とは別物です。工具箱に鍵をかける、車に積みっぱなしにしない、現場では目の届くところに置く、みたいな日頃の予防があってこそ、保険も意味を持つんだと思います。
うちが職人PRIDE(プライド)の会員さんたちと話してて感じるのは、こういう「お金や備え」の話って、一人で抱えてると気づきにくいんですよね。他の職人さんがどういう保険に入ってるか、どんな対策をしてるか、ちょっと聞いてみるだけでも参考になることが多いと思います。職人プライドというコミュニティの中で、そういう地味だけど実は大事な情報が自然と共有されていくといいなと、個人的には思ってます。
うちも含めて、工具を「稼ぐための大事な資産」として扱う意識を持つことが、結局は自分の仕事を守ることにつながるんじゃないかなと。保険に入るかどうかは人それぞれですけど、一度は工具一式の値段を計算してみる、っていうのはやっておいて損はないと思います。
工具が全部パーになる想像なんて普段しないと思いますが、たまにそういう「もしも」を考えておくだけで、備え方は変わってくるもんです。今日の話が、ちょっとでも自分の工具箱を見直すきっかけになったら嬉しいです。

