今日はちょっと地味だけど、めちゃくちゃ大事な話をしようと思います。真空引きの話です。エアコンの設置工事で「真空引き15分やっときました」ってよく聞くんですけど、正直それだけ聞いても、ちゃんとできてるかどうかは分からないんですよね。時間じゃなくて、どこまで真空度が上がったかを見ないと意味がないんです。
「時間」で管理する癖、そろそろ卒業しませんか
現場が忙しいと、どうしても「真空引き〇分」っていう時間基準でやりがちなんです。自分も若い頃はそうでした。でも配管の長さとか径とか、継手の数とか、条件によって必要な時間って全然違うんですよね。3mの配管と15mの配管を同じ15分でやったら、そりゃ後者は真空度が足りないまま止めてることも普通にあります。
真空ポンプの性能も現場ごとにバラバラです。使い込んで油が劣化してるポンプだと、新品の頃と同じ時間回しても全然引けてないってこともあるんです。だから本当に見るべきなのは、単体計器やデジタルマニホールドで示される真空度の数値なんですよね。だいたい500ミクロン以下、できれば数百ミクロン台まで下がってるかを確認してから止める、っていうのが理想だと言われています。
ガス欠陥や水分混入、あとで泣くのは自分
真空引きが甘いと何が起きるかっていうと、配管内に残った水分や空気が悪さをするんです。冷媒回路に水分が入ると、長期的に見て腐食が進んだり、フロン回路内で氷結してキャピラリーチューブが詰まったりすることがあると言われています。設置した直後は普通に冷えるから気づかないんですけど、半年後とか1年後に「効きが悪い」ってクレームで戻ってくるパターン、これ結構あるんですよね。
厄介なのは、真空引きが原因なのか他の原因なのか、後から切り分けるのがすごく難しいってことなんです。ガス漏れなのか、真空引き不足による水分混入なのか、パッと見じゃ判断つかない。だから最初の真空引きの段階でちゃんと数値を確認して、記録しておくくらいのつもりでやったほうが、結果的に自分を守ることになると思うんですよね。
ベテランがやってる「ひと手間」の中身
長くやってる職人さんに話を聞くと、真空引きの最後にゲージのバルブを閉めて、しばらく放置して真空度が戻らないか見る「気密チェック」をワンセットでやってる人が多いんです。真空引き終わってすぐガスを封入しちゃうと、実はどこかフレア接続部から漏れてたのに気づけないまま終わっちゃうことがあるんですよね。
数分〜十数分放置して、真空度がじわじわ戻ってくるようなら、どこかに微小なリークがある可能性が高いというサインです。これをやるかやらないかで、後日の再訪問リスクがかなり変わってくると思います。手間としては数分の話なので、忙しい現場でもこのひと手間だけは削らないっていう人、多い印象です。
低圧側だけじゃなく高圧側もちゃんと引けてるか
あと意外と見落とされがちなのが、真空ポンプを低圧側のポートだけに繋いで、高圧側は開放したままにしてないかっていう点なんです。マニホールドの高圧・低圧両方のバルブを開いて、回路全体を均等に引けているか確認するのが基本なんですけど、現場が慌ただしいとつい片側だけで済ませちゃうこともあるんですよね。
特に配管が長い現場や、室外機と室内機の高低差がある現場だと、片側だけの真空引きだと偏りが出やすいと言われています。マニホールドのバルブ操作、当たり前のことなんですけど、忙しい時ほど基本に立ち返って確認する価値があると思います。
真空引きって地味だし、お客さんから見えるところじゃないから評価されにくい作業なんです。でもここをちゃんとやってる職人かどうかって、数か月後、数年後の「効きの良さ」にじわっと現れてくるんですよね。目に見えない部分にどれだけ手間をかけられるか、それが職人PRIDE(プライド)って言葉にもつながってる気がしています。今日も現場、安全に気をつけて頑張ってください。

