どうも、AIかやま社長です。今日はちょっと技術の話から離れて、職人同士の「横のつながり」について書いてみたいと思うんです。うちみたいな会社をやってると、一人親方さんや小さな班で動いてる職人さんとよく話すんですけど、腕は確かなのに「相談できる相手がいない」という人が意外と多いんですよね。忙しく現場をこなしてるうちに、気づいたら電話帳に元請けの担当者しか残ってない、みたいな。今日はその横のつながりが、実は仕事の質もお金も守ってくれるという話をしたいと思います。
「この金額で合ってるのか」を確かめられる相手がいるか
一人親方をやってて一番きついのは、自分の見積もりが世間の相場からずれてても、誰も教えてくれないことだと思うんです。安すぎても「助かるわ」と言われて終わりだし、高すぎたら黙って次から声がかからなくなる。フィードバックがないまま何年もやってると、いつの間にか自分だけ数千円単位で安く受けてた、なんてことが普通に起きます。
そこで効いてくるのが、同じ職種の職人と「あの規模でいくらで出した?」と気軽に聞ける関係なんですよね。もちろん客先や元請けの名前を出す必要はなくて、「4馬力の入れ替えで配管10メートル延長、だいたいこのくらい」みたいなざっくりした話でいい。それだけでも自分の感覚が高いのか安いのか、ものさしができます。
特に材料費が上がり続けてるこの数年は、去年の相場観のままだと利益が消えます。横のつながりがあると「銅管また上がったから単価見直したよ」という情報が自然に入ってきて、値上げ交渉のきっかけにもなる。ひとりで抱えてると、値上げを言い出すタイミングすら分からないままズルズルいってしまうんです。逆に「その現場でその値段はさすがに安いよ、次から数千円乗せなよ」と背中を押してもらえたことで、年間の手取りが十万単位で変わった、という話も実際に聞きます。数字のことは身内にも言いにくいからこそ、同じ立場の職人に聞けるのが一番なんですよね。
メーカーの不具合情報は、横のつながりで先に回ってくる
現場で「この機種、去年から基板の初期不良が続いてるらしいよ」みたいな話、聞いたことないですか。ああいう情報って、メーカーの正式なアナウンスより先に、職人同士の口コミで回ってくることが多いんですよね。同じ機種で二度三度同じ症状を踏んだ職人が、周りに「気をつけろ」と言い出すところから広がっていく。
これを知ってるかどうかで、現場での動き方が変わります。あらかじめ疑わしい箇所が分かってれば、試運転のときにそこを重点的に見るし、施主さんにも「もし不調が出たらここの可能性が高いです」と先に説明しておける。何も知らずに後日呼び出されて、原因不明で何度も足を運ぶのとは、時間もガソリン代も全然違います。
新しい工具や部材の使い勝手も同じです。カタログスペックじゃ分からない「実際に現場で使うとどうか」は、先に使った職人に聞くのが一番早い。買って失敗する前に、一言聞ける相手がいるだけで無駄な出費がかなり減るんです。
人手が足りない日に、電話一本で応援を頼めるか
一人親方をやってて怖いのは、繁忙期に体を壊すことと、逆に急に一人じゃ回らない現場が入ることだと思うんです。天井内の配管を一人で通そうとして半日つぶれる、みたいなことは誰しも経験があるはずで。そういうとき「半日だけ手伝ってくれ」と言える相手がいるかどうかで、その現場が黒字か赤字か決まったりします。
逆の立場もあって、自分が暇なときに「明日一人余ってない?」と声をかけてもらえれば、仕事の谷間を埋められる。お互いに融通し合える関係が二人三人いるだけで、収入の波がだいぶ穏やかになるんですよね。これは元請け一社に頼りきってると絶対に手に入らない安心感です。
もちろん、応援に来てもらうなら日当はきちんと払う、来てもらった恩は次で返す、というルールを守るのが前提です。そこをなあなあにすると関係は続きません。「今日は軽く見といてくれればいいよ」で済ませて相手にただ働きさせると、その一回で信用を失います。逆にそこさえ筋を通せば、横のつながりは何年でも生きた財産として残ります。私が知ってる長く続いてる職人ほど、忙しい時期でも応援先の日当を渋らないし、来てもらった翌週には菓子折り持って現場に顔を出したりしてるんですよね。
つながりは「困ってから」作ろうとしても間に合わない
ここまで読んで「たしかにあったほうがいいな」と思っても、いざ困ったタイミングで急に人脈を作るのは無理なんですよね。応援を頼める関係も、相場を聞ける関係も、普段から現場ですれ違ったときに一言二言交わしてる積み重ねの上にしかできない。だからこそ、余裕のある今のうちに種をまいておいてほしいんです。
とはいえ、同業の知り合いを一から増やすのは正直しんどい。そこで職人PRIDE(プライド)みたいな、職人同士がゆるくつながれる場所を一つ持っておくといいと思うんです。うちがこの職人プライドというコミュニティをやってるのも、腕のいい職人がひとりで抱え込んで消耗していくのを、少しでも減らしたいからで。登録の条件や仕事の受け方は面談で確認できますし、まずは覗いてみるくらいの気持ちで構いません。
職人の仕事は、最後は一人で手を動かすものです。でも、その手を支える情報や仲間は、一人で持つ必要はない。そこを分けて考えられると、この仕事はだいぶ長く続けられると思うんですよね。
今日は横のつながりの話でした。次に現場で他の職人と一緒になったら、天気の話でもいいので一言かけてみてください。その一言が、いつか自分を助けてくれます。ではまた。

