【無料】新規会員募集中!ご登録はコチラ!

若い頃と同じペースで働いてませんか、体力配分を見直す話

若い頃と同じペースで働いてませんか、体力配分を見直す話

この仕事を長くやってると、あるとき急に「あれ、前より疲れが抜けないな」って気づく瞬間があると思うんです。僕自身、現場に出てた頃を思い出すと、20代の頃の感覚のまま突っ走ってしまって、あとで痛い目を見てる職人さんをたくさん見てきました。今日はそのあたりの、ちょっと地味だけど大事な「ペース配分」の話をしたいと思います。

目次

若い頃の「がむしゃら」がいつまでも通用するわけじゃない

一人親方でやってると、体力も技術も全部自分の資本だと思うんですよね。若いうちは多少無理してもすぐ回復するし、朝から晩まで詰め込んでも次の日にはケロッとしてる。だからつい「働ける時に働くのが正解」って感覚が染み付いてしまう。これ自体は悪いことじゃなくて、むしろその時期にがむしゃらにやったからこそ今の技術があるっていう人も多いはずです。

ただ、40代、50代に差し掛かってくると、同じ量の仕事をしても回復のスピードが明らかに変わってくる。これは気合いとか根性の問題じゃなくて、単純に体の仕組みとしてそうなるものだと思うんです。厄介なのは、本人の感覚がなかなかそこに追いついてくれないこと。頭では「昔ほど無理が効かない」ってわかっていても、いざ現場に入ると若い頃の癖でつい根を詰めてしまう。ぎっくり腰とか、腱鞘炎とか、そういう形で体が先に警告を出してくることも珍しくありません。

よくあるのが、周りから「無理しなくていいよ」と言われても、本人だけがそれを受け入れられないパターンです。プライドもあるし、後輩の前で弱音を吐きたくないっていう気持ちもわかります。ただ、無理を重ねた結果、現場に出られない期間ができてしまえば、それこそ長い目で見て一番の損失になってしまう。小さな違和感が出た段階で「今日は少しセーブしよう」と判断できるかどうかが、結局は長く現役でいられるかどうかの分かれ目になるんじゃないかなと思います。

一日・一週間の中でどう配分するか

具体的な工夫としてよく聞くのは、一日の中で一番きつい作業を午前中の早い時間に持ってくるやり方です。体力があるうちに負荷の高い工程を終わらせて、午後は段取りとか片付け、比較的軽い作業に回す。これだけでも夕方のガス欠感がだいぶ違うという声をよく聞きます。

週単位で見ると、詰め込める日と抜く日を意識的に作っておくのも一つの手だと思います。例えば週の真ん中にあえて軽めの現場や事務作業の日を挟んでおくと、後半まで体力が持ちやすくなる。逆に「今週は行けるところまで行こう」って全部フルスロットルで組んでしまうと、金曜あたりでガクッと集中力が落ちて、結果的にミスや怪我のリスクが上がってしまう。長い目で見れば、多少ペースを落としてでも安定して稼働し続けられる方が、トータルの仕事量としても多くなることが多いんじゃないかなと思います。

もうひとつ見落とされがちなのが、休憩の取り方です。若い頃はとにかく手を止めずに一気にやりきる方が調子が出るという人も多かったと思いますが、体力が変わってくると、こまめに水分を取ったり、短くても座って肩の力を抜く時間を作ったりする方が、結果的に一日を通しての作業効率が落ちにくいというケースが増えてきます。「休むのも仕事のうち」という感覚を持てるかどうかで、夏場や冬場の体への負担がかなり変わってくると思うんです。

仕事の受け方・断り方を見直すタイミング

体力配分の話は、結局のところ「仕事の受け方」の話にもつながってくると思うんです。若い頃は声をかけてもらえること自体がありがたくて、多少無理な工期でも二つ返事で受けていたという人も多いはず。それはそれで信頼を積み重ねる大事な時期だったと思います。

ただ、ある程度キャリアを積んで単価も上がってきたら、「量より質」に軸足を移すタイミングが来るんじゃないでしょうか。無理な工期の仕事を安請け合いして体を壊してしまえば、結局は長い目で見て収入も信用も落としてしまう。逆に、余裕を持ったスケジュールで確実にいい仕事をする方が、次の依頼にもつながりやすい。断ることに罪悪感を持ちすぎず、「今の自分のペースならこのくらい」というラインを持っておくのは、決してわがままじゃなくて、長く現役でいるための必要な線引きだと思うんです。

もちろん、断るにも技術がいります。いきなり「無理です」と突っぱねるんじゃなくて、「この工期なら人を増やせば対応できます」とか「別の週なら余裕を持ってできます」といった形で代案を出せると、相手との関係を壊さずに済むことが多いと思います。長い付き合いのある元請けさんほど、無理を承知で頼んでいることも多いので、正直に事情を話せば案外柔軟に調整してもらえるケースも少なくありません。

体を使わない役割にシフトしていくという選択肢

もう一つ考えておきたいのが、体力だけに頼らない働き方への切り替えです。長年の経験がある職人さんなら、若手への指導や現場管理、段取りを組む役回りにシフトしていくことで、体への負担を減らしながら仕事を続けられるケースも多いと思います。実際に手を動かす作業と、経験を活かして全体を見る作業をうまく組み合わせることで、無理に若い頃と同じペースを維持しなくても、現場でちゃんと必要とされ続けられるんじゃないでしょうか。

後継ぎや若手に少しずつ現場を任せていくのも、体力配分の一つの形だと思います。全部を自分で抱え込むんじゃなくて、任せられるところは任せる。それは決して引退の準備というだけじゃなくて、自分が長く元気に現場と関わり続けるための、前向きな選択なんじゃないかなと僕は思います。

体は資本っていう言葉、当たり前すぎてあまり意識しないかもしれませんが、ペース配分を見直すことは、結局のところ自分の仕事人生を長持ちさせるための投資だと思うんです。無理をしないことは怠けることじゃない。そのあたり、これからも一緒に考えていけたらうれしいです。

目次