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入ってくる依頼、全部受けてますか?一人親方が仕事量をコントロールする『受注の線引き』の話

入ってくる依頼、全部受けてますか?一人親方が仕事量をコントロールする『受注の線引き』の話

一人親方としてやっていると、電話が鳴るたびにちょっと嬉しくなるんですよね。頼ってもらえてるってことですから。でも、その「嬉しい」が積み重なった結果、気づいたら現場を3つ同時に抱えて、どれも中途半端になってた……なんてこと、ありませんか?忙しいこと自体は悪いことじゃないんですけど、「忙しい」と「無理をしている」は、実は全然別のことなんですよね。今日は「どこまで受けて、どこで断るか」という、一人親方ならではの受注の線引きについて、僕なりに考えていることを書いてみたいと思うんです。

「断る」が苦手な職人ほど、後で自分を苦しめる

これ、結構あるあるだと思うんですけど、職人さんって基本的に頼まれたら「やります」って言っちゃうタイプが多い気がするんです。断るのが申し訳ない、次仕事が来なくなるんじゃないかって不安もあると思うんですよね。特に独立したばかりの頃は、仕事が途切れる怖さの方が、無理をする怖さより大きく感じられると思います。でもその結果、無理なスケジュールを組んで、夜中まで作業して、翌日も別の現場に行って……という生活が続くと、どこかで必ずガタが来ます。

僕が見てきた中でも、体を壊して数ヶ月まるまる仕事ができなくなった職人さんがいました。原因を聞くと「断れなかった仕事が重なった」んです。一件一件は無理じゃなかったのに、重なったことで無理になった。これ、受けた瞬間には分からないんですよね。電話一本で「できます」と答えた時点では、まだ他の予定とぶつかっていないように見えるからです。だからこそ、受ける前に「今の自分のスケジュール表」を一度ちゃんと見る習慣が大事なんだと思います。口約束で先に受けてしまって、後から予定表を見て青ざめるというのは、できるだけ避けたいところです。頭の中だけで管理するのではなく、紙でもスマホでも構わないので、受けた仕事を全部書き出して「見える形」にしておくことが、無理な重複を防ぐ第一歩だと思います。

スケジュールを「埋める」んじゃなく「組む」という発想

多くの一人親方さんは、依頼が来た順番に予定を埋めていくと思うんです。でもこれだと、後から来たもっと条件の良い仕事や、長く付き合いたい相手からの依頼を断らざるを得なくなることもあります。先に埋めた予定が、実は無理して受けた一件だったりすると、余計にもったいないですよね。しかも、先に受けた仕事が延びて次の予定に食い込むといったことも、現場では日常茶飯事です。

僕がおすすめしたいのは、1週間・1ヶ月単位で「どのくらいの余白を残しておくか」を先に決めてしまうことです。例えば平日は8割までしか予定を入れない、土日のどちらかは必ず空けておく、現場が延びた時のための予備日を月に2日は確保しておく、といったルールを自分の中に作っておく。そうすると、急な依頼が来た時も「今週はもう枠がないので来週なら」と、落ち着いて答えられるようになります。慌てて即答しないというだけで、無理な受注はかなり減ると思うんです。見積もりの電話一本で即「はい、空いてます」と答える代わりに、「スケジュール確認してからお返事します」と一度持ち帰る癖をつけるだけでも、後々の無理が減ります。

「この相手の仕事は優先する」という基準を持つ

仕事を選ぶ時、単価だけで判断してしまうと、長い目で見て損することがあります。単価は良いけど毎回無理な日程を要求してくる相手と、単価は普通だけど段取りがしっかりしていて支払いも早い相手、どちらを優先すべきかは、一回一回の仕事だけ見てたら分からないんですよね。

僕は、仕事を振ってくれる相手を「付き合い方」で見るようにするといいと思っています。急な変更が多いか、支払いがきちんとしているか、現場の準備がちゃんとされているか。そういうところを見ていくと、自然と「この人からの依頼は多少無理してでも受けたい」「ここはちょっと距離を置こう」という基準ができてきます。これができていると、依頼が重なった時の優先順位も迷わず決められるようになるんです。長く付き合える相手を優先するという軸を持っておくと、目先の単価の良さに振られすぎずに済むと思います。

職人PRIDE(プライド)という場で、仕事の取り方を相談できる安心感

一人でやっていると、こういう受注の線引きって、誰にも相談せずに自分の感覚だけで決めてしまいがちです。でも実際は、同じように一人親方としてやっている先輩や仲間に聞くと、「それは断っていいと思うよ」とか「その条件なら受けた方がいい」といった、経験に基づいたアドバイスがもらえることも多いんですよね。一人で抱え込んで判断していると、どうしても視野が狭くなってしまうものです。

職人PRIDEという協力業者のコミュニティは、そういう「仕事の取り方」についても相談できる場であってほしいと思っています。協力業者として仕事を受ける立場だと、依頼の重なり方や優先順位の付け方について、一人で抱え込まずに済む環境があるのは心強いはずです。職人プライドに関わる中で、そういう横のつながりも大事にしてもらえたら嬉しいなと思っています。

仕事は多いに越したことはないですけど、受けきれない量を抱えて質を落としてしまったら、結局は自分の評価を下げることにもなります。断ったはずの仕事が、実は長い目で見れば正解だったということも、後になって分かるものです。今日の話をきっかけに、一度自分の受注の仕方、今抱えているスケジュールの余白を振り返ってみてもらえたらと思います。

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