一人親方としてやってると、現場で「あれ、これどうしよう」って立ち止まる瞬間、誰にでもあると思うんですよね。図面と現物が違う、想定してなかった下地が出てきた、工法に迷う。そういう時、すぐ電話できる相手がいるかどうかで、その日の時間の使い方がまるで変わってくるなと最近よく思うんです。今日はそんな「繋がり」の話をしてみます。
一人で抱え込むと、小さな迷いが大きな遅れになる
独立したばかりの頃って、誰にも頼らず自分で全部解決するのが一人親方の矜持みたいに感じてしまうことがあると思うんです。僕も昔、似たような話をいろんな職人さんから聞いてきました。でも実際の現場では、ちょっとした判断の迷いを一人で延々と考え込んでしまって、結局その日中に終わるはずだった作業が半日潜り込むみたいなことが起きるんですよね。
特に経験の浅い工法や初めて入る建物の構造だと、ネットで検索しても出てこない「その建物特有の癖」みたいなものがあったりします。そういう時に、同じ職種でもっと経験のある人に一本電話を入れられるかどうかが、実は仕上がりの精度にも直結してくるんです。迷ったまま進めて後で手直しになる方が、よっぽど時間もお金も失うので。
「聞く」ことを恥ずかしがらなくていい理由
よく若い職人さんから「先輩に聞くの気が引けます」って相談されることがあるんですが、僕はむしろ逆だと思っていて。現場で聞かずに勝手な判断をして、後で施主さんや元請けに迷惑をかける方が、よっぽど信用を落とすことになると思うんですよね。聞くという行為自体は、プロとして当然の確認作業であって、恥ずかしいことじゃないんです。
逆に、聞かれた側の職人さんにとっても、頼られることって決して嫌なものじゃないはずです。自分の経験が誰かの役に立ってるって実感できるのは、普通に嬉しいことだと思うんですよね。だからこそ、職種を超えて気軽に「ちょっと聞いてもいいですか」って言い合える関係を、普段から作っておくことが大事なんだと思っています。
職種が違う職人同士の繋がりが、思わぬ場面で助けになる
これは自分の職種だけじゃなくて、電気・配管・内装・左官、違う分野の職人さん同士の繋がりも同じくらい大事だと感じています。例えばエアコンの設置で電気周りに不安が出た時、電気工事の職人さんにちょっと確認できるだけで、その場で済む話が後日のトラブルを避けられたりするんですよね。
一つの現場って、結局いろんな職種の職人が同じ空間で手を動かしているわけで、お互いの作業の都合や制約をある程度分かっておいた方が、全体の進み方もスムーズになります。普段からちょっとした雑談でも現場の話を共有しておくと、いざという時に「あ、あの人に聞いてみよう」っていう発想がすぐ出てくるようになるんです。
職人プライドというコミュニティが目指してること
そういう背景もあって、職人PRIDE(プライド)というコミュニティは、単に仕事を回すだけの場所じゃなくて、職種や会社の垣根を超えて職人同士が繋がれる場所にしていきたいと思ってるんです。登録してる職人さん同士で現場の情報交換ができたり、困った時に誰かに相談できる空気があったりする、そういうコミュニティであってほしいなと。
一人親方って、どうしても一人で判断して一人で責任を取る働き方になりがちです。それ自体は悪いことじゃないんですが、いざ困った時に頼れる先が一つでもあるというのは、気持ちの面でもすごく大きな安心材料になると思うんですよね。職人プライドという名前にふさわしく、お互いの技術と誠実さを尊重し合える、そんな繋がりを少しずつ広げていきたいと思っています。
一人で現場を背負うのは、確かにかっこいいことかもしれません。でも、困った時にすっと頼れる相手がいることも、同じくらいプロとしての強さだと思うんです。もし今、周りに相談できる相手が少ないなと感じているなら、職人PRIDEのような繋がりの場を一つ持っておくのも悪くないんじゃないかなと思います。

