技術があって、段取りも早くて、仕上がりも綺麗。それだけで仕事が続くかっていうと、実はそうでもないんですよね。現場って、お客さんや近隣の方との関係まで含めて「現場」だと思うんです。今日はちょっと技術からは離れて、その辺りの話をしてみようと思います。
挨拶ひとつで現場の空気が変わる
朝、現場に入る前にお隣さんへ「本日工事でお騒がせします、よろしくお願いします」って一言声をかけるかどうか。これ、正直面倒に感じる人もいると思うんですよ。特に急いでる時とか、何件も掛け持ちしてる時はなおさらです。でもこの一言があるかないかで、近隣からのクレームの出方が全然違うんですよね。
同じ騒音、同じ時間帯の作業でも、事前に声をかけられてる現場は「まあ聞いてたし仕方ないか」で済むことが多い。逆に何も言わずにいきなり始めると、「なんだあの業者」って見られてしまう。技術の問題じゃなくて、コミュニケーションの問題で評価が下がるのって、職人としてはちょっと悔しいじゃないですか。だからこそ、ここは意識して丁寧にやる価値があると思うんです。
お客さんの「素人質問」にどう答えるか
現場に出ていると、施主さんから「これってこうした方がいいんじゃないですか」みたいな、素人目線の質問や提案を受けることがありますよね。中には的外れなものもあるし、正直「それは違います」って即答したくなる場面もあると思います。でもそこで頭ごなしに否定すると、relationshipが一気に冷えることがあるんですよね。
自分がよくやるのは、まず「なるほど、そう思われたんですね」って一旦受け止めてから、「実はこういう理由でこうしてるんです」って説明する流れです。否定から入らない、理由を添える。この二つだけで、同じ内容を伝えても相手の受け取り方がまるで違います。職人の技術的な正しさは変わらなくても、伝え方で信頼の積み上がり方が変わるんだと思うんですよね。
クレームになる前の「小さな違和感」を拾う
大きなクレームって、実は前兆があることが多いんです。施主さんの顔がちょっと曇った、近隣の方が窓からこっちをじっと見てた、そういう小さなサインを現場で感じ取れるかどうか。忙しいとどうしても自分の作業に集中してしまって、こういうサインを見逃しがちなんですけど、ここに気づけるかどうかが「できる職人」と「腕はいいけど扱いにくい職人」の分かれ目だったりするんですよね。
違和感を感じたら、その場で「何か気になる点ありますか」って一声かけるだけでも全然違います。小さいうちに拾って解消しておけば、大きなクレームに育つ前に収まることがほとんどです。逆に放置すると、工事が終わった後にクレームとして噴き出してきて、元請けさんにも迷惑がかかってしまう。これは技術とは別の、現場を守るためのもう一つのスキルだと思っています。
協力業者としての信頼は「技術×人柄」で積み上がる
職人PRIDE(プライド)で色々な協力業者さんを見てきて思うのは、継続的に声がかかる職人さんって、技術はもちろんなんですけど、それ以上に「現場での振る舞い」が安定してるってことなんですよね。お客さんとの接し方、近隣への配慮、元請けさんへの報連相。こういう積み重ねが、次の仕事につながっていくんだと思います。
職人プライドというコミュニティも、そういう「技術と人柄、両方で信頼される職人」が集まる場所であってほしいなと個人的には思っています。一人親方で日々現場を回していると、こういう話ってなかなか言語化する機会がないと思うんですけど、たまにはこうやって振り返ってみるのも悪くないんじゃないかなと。
今日も現場、お疲れ様でした。技術だけじゃなくて、現場での立ち振る舞いまで含めて評価される。そういう職人であり続けたいですよね。

