配管つないで、ドレンも通して、あとは電源入れて試運転。そこまで来ると「よし終わった」って気持ちが先に出て、絶縁抵抗の測定をついサボっちゃう人、結構いると思うんですよね。特に新品の機器だと「工場から出てきたばっかりだし大丈夫でしょ」って気持ちになりやすいんですけど、自分はここは絶対に端折らないようにしてます。今日はその理由と、自分がやってる測定のやり方について書いてみようと思います。
新品だからこそ油断できる理由
絶縁不良って、古い機器の劣化だけが原因じゃないんです。新品でも、搬入中に雨に当たって内部に湿気が入ってたり、輸送中の振動で配線の端子が緩んで被覆が擦れてたり、原因は意外といろいろあるんですよね。あとは現場での作業中に、自分たちがうっかり配線を引っ掛けて被覆を傷つけてしまうケースも普通にあります。特に天井裏や屋外の配線作業だと、体の向きを変えた時に工具が当たってたりして、傷がついたことに気づかないまま仕上げまで進んでしまうこともあります。
「新品=絶縁正常」っていう思い込みが一番危ないと思ってて、むしろ据付直後は『まだ誰も通電してない状態』だからこそ、異常があれば一番安全に発見できるタイミングなんです。ここを飛ばして通電してから漏電ブレーカーが落ちると、原因探しに倍以上時間がかかることになります。お客様の立ち会いがある試運転のタイミングでブレーカーが落ちたりすると、信用にも関わってきますから、そうなる前に潰しておきたいところです。
メガーの当て方、自分なりのルーティン
自分がやってるのは、電源を入れる前に端子を全部外した状態で、各相と接地間、相間の絶縁抵抗を一通り測ること。測定電圧は機器の仕様に合わせて選びますけど、基本的には500Vのメガーを使うことが多いです。数値が極端に低い時はもちろん要注意ですが、「基準値はクリアしてるけど、いつもより低い気がする」っていう感覚も大事にしてます。長年同じような機種を測ってると、だいたいの『いつもの数値』が体に入ってくるので、そこから外れた時にすぐ違和感に気づけるようになるんですよね。
一回測って終わりじゃなくて、配線をつなぐ前と後、機器のカバーを閉める前と後、くらいのタイミングで複数回測ると、どの工程で数値が落ちたのかが分かりやすいんですよね。これをやっておくと、後で何かあった時に「どこで異常が起きたか」をかなり絞り込めます。カバーを閉める前にもう一度測るだけで、配線の噛み込みや工具の置き忘れに気づけたりもするので、個人的にはこの最後の一回が一番大事だと思ってます。
湿気と季節で変わる数値の読み方
梅雨時や冬場の結露しやすい時期は、同じ機器でも数値が普段より低めに出ることがあります。これを知らないと「あれ、おかしいぞ」って焦ってしまうんですが、実際は湿気の影響で一時的に下がっているだけで、しばらく通電して機器内部が温まると数値が戻ってくることも多いんです。逆に、季節のせいだと決めつけて本当の異常を見逃すのも怖いので、極端に低い場合は乾燥させてから再測定するという判断も必要になります。
こういう季節ごとの癖みたいなものは、教科書には細かく書かれていないことが多くて、結局は現場で何度も測って覚えていくしかない部分だと思います。若い職人さんに教える時も、数値の基準だけじゃなくて「この時期はこう出やすい」というところまで一緒に伝えるようにしてます。
記録を残すかどうかで後の信用が変わる
測定した数値、口頭で「問題なかったです」で終わらせるか、簡単でもメモに残すかで、後々の立場が全然違うと思うんです。もし引き渡し後にトラブルが出た時、自分が据付時にきちんと測定して正常値だったという記録があれば、原因が別のところにあるって説明できます。逆に記録が何もないと、何でも据付の責任にされかねません。
スマホで測定値と日時だけ写真に撮っておくくらいでも全然違います。大げさな書類を作る必要はなくて、「ちゃんと測ってますよ」という証拠が残っていること自体が、自分を守る保険になるんですよね。これは一人親方として現場に入ってる人にとっては特に大事なことだと思ってます。元請けさんから見ても、こういう記録をきちんと残してくれる職人には安心して仕事を任せやすいはずです。
職人PRIDE(プライド)の仲間とも共有したい感覚
こういう『見えないところの一手間』って、お客様からは評価されにくい部分なんですけど、職人同士で話すと「それ大事だよね」ってすぐ分かり合えるところだと思うんです。職人PRIDEの会員さんとも、現場の細かい確認作業の話をすると、やっぱり長く続けてる人ほどこういうところを丁寧にやってるなと感じます。
派手な技術の話じゃなくても、こういう地味な積み重ねが結局「頼める職人」としての評価につながっていくんじゃないかなと思うんですよね。職人プライドというコミュニティの中でも、こうした現場の知恵をもっと共有していけたらいいなと、個人的には思ってます。測定器の使い方なんて今さら誰にも聞けないって人もいるかもしれませんが、年齢やキャリアに関係なく、こういう基本の確認作業は何度でも見直す価値があると自分は思ってます。
通電前のひと手間、今日もちょっと意識してみてください。それだけで防げるトラブル、結構あると思いますから。急いでる現場ほど、こういう地味な確認を飛ばしがちですけど、結局トラブルになって呼び戻されたら、その分の時間はもっとかかってしまうんですよね。だったら最初に数分かけておく方が、長い目で見ればずっと効率がいいと自分は思ってます。

