今日はちょっと地味だけど大事な話をしようと思うんですよね。「建退共(けんたいきょう)」って聞いたことある人、多いと思うんです。でも実際どういう制度なのか、自分の積立が今どうなってるのか、ちゃんと把握してる職人さんって意外と少ないんじゃないかなと思っていて。目の前の現場のことで頭がいっぱいになるのはわかるんですけど、今日はその話をしてみます。
建退共ってそもそも何のための制度なのか
建退共は、建設業で働く人のための退職金制度と言われています。会社員みたいに退職金が出にくい一人親方や個人事業主でも、現場で働いた分だけ共済手帳に証紙(印紙)を貼ってもらって、それが積み立てられていって、将来まとまった形で受け取れる仕組みになっているんです。現場単位で動く職人の働き方に合わせて作られた制度だと聞いています。
俺が独立したばかりの頃は、正直「名前は聞いたことあるけど自分には関係ないかな」くらいの感覚でした。日々の段取りや請求のことで頭がいっぱいで、何年も先の退職金の話なんて考える余裕がなかったんですよね。でも年を重ねて周りの先輩たちの話を聞いてると、「あの手帳、ちゃんと貼ってもらってたおかげで助かった」って声を何度も聞くようになって。目の前の仕事の話じゃないから後回しにしがちなんですけど、長く続けるほど効いてくる話なんじゃないかなと思うんですよね。
手帳の管理、現場任せになってないか
よくあるのが、共済手帳を元請けさんや現場の事務所に預けたまま、自分では中身を一度も確認してないっていうパターンです。証紙がちゃんと貼られてるか、何日分貼られてるかって、本来は自分の積立の話なので、自分で把握しておいたほうがいいと思うんです。現場が変わるたびに手帳を出したり引っ込めたりしてるうちに、いつの間にか更新のタイミングを逃してたっていう話も聞きます。
特に独立してすぐの頃は、どの現場でどれだけ証紙を貼ってもらえたか、記録をつけてる人って少ない気がします。俺も最初の数年はそうでした。現場を転々としてると「あの手帳、今どこの元請けさんに預けたままだっけ」ってなることもあって、後になって振り返ろうとしても記憶だけじゃ曖昧になるんですよね。手帳がいっぱいになったら新しい手帳に更新する手続きが必要なんですが、これも現場の忙しさの中で後回しになって、気づいたら何ヶ月も更新されてなかったっていうケースもあるみたいです。
自分なりの工夫としては、現場が一区切りついたタイミングで手帳の残りページを確認するようにしてます。全部自分で数える必要はないんですけど、ざっくり「このくらい貼ってもらってるはずだな」という感覚を持っておくだけでも、おかしな抜け漏れに気づきやすくなると思うんです。
独立したタイミングでの加入手続き、忘れやすい落とし穴
もう一つ気をつけたいのが、会社に属していた頃は自動的に加入できていても、独立して一人親方になった瞬間に、手続きが別になるケースがあるということです。元請けさんや組合によって窓口が変わることもあるので、独立直後のバタバタしてる時期にうっかり手続きが抜けてしまう人、実は結構いるんじゃないかなと思っています。
独立したての頃って、仕事を取ること、道具を揃えること、請求書を切ることだけで一日が終わっていく感覚だと思うんです。そんな中で「共済の手続き、ちゃんとできてたっけ」って振り返る余裕、正直ないですよね。だからこそ、独立したタイミングで一度だけでも、誰かに相談して現状を確認しておくのが大事だと思っています。
これは職人PRIDE(プライド)のような協力業者のコミュニティに所属していると、そのあたりの情報を周りの先輩や事務局から教えてもらえる機会があるのも助かるポイントだと感じています。一人でやってると、こういう制度の話って誰にも相談できずに後回しになりがちですからね。職人プライドの集まりで「それ、ちゃんとやっといた方がいいよ」って声をかけてもらえるだけで、動くきっかけになることもあると思うんです。
目の前の仕事と、将来のための積立を両方見る
正直、今日明日の現場のことで頭がいっぱいになるのはよくわかります。建退共みたいな話は、今すぐ得する話じゃないから優先順位が下がりやすいんですよね。でも職人としてこの先何年も現場に立ち続けるつもりなら、積立は少しずつでも続けておいたほうが、将来の自分を助けてくれるんじゃないかなと思うんです。
体がきつくなってきたタイミングで仕事量を落とそうと思っても、そのときに退職金的な積立がゼロだと選択肢が限られてしまいます。逆に少しずつでも積み立てが続いていれば、ペースを落とす判断も、次の働き方を考える判断も、もう少し気楽にできるんじゃないかなと思うんですよね。
手帳を引き出しの奥にしまいっぱなしにしてる人がいたら、一度中身を確認してみてほしいです。証紙の貼り忘れがあったら、現場の担当者や事務局に聞いてみる。それだけでも、将来受け取れる額が変わってくる可能性があると言われています。地味な作業ですけど、職人として長く働き続けるための備えの一つだと思って、たまには手帳と向き合ってみてもらえたらと思います。
若い頃は「そんな先の話より今の仕事が先だろ」って思っちゃうのも正直なところだと思うんです。でも現場に出続けられる年数には限りがあるわけで、体が動くうちにどれだけ積み立てておけるかで、将来の自由度がだいぶ変わってくると思うんですよね。年に一度、確定申告の時期とかに合わせて手帳をチェックする習慣をつけておくと、忘れずに済むんじゃないかなと思います。

