うちの現場にも、最近は20代の若い職人さんがちらほら増えてきました。見ていて嬉しい反面、ベテランの皆さんから「教えるのって難しいんだよね」っていう声をよく聞くんです。今日はその『技術を渡す』ということについて、思っていることを書いてみようと思います。
つい手が出てしまう、あの瞬間
若い子が作業してるのを見てて、「あ、そこ違う」って分かった瞬間、つい道具を取り上げて自分でやっちゃう。これ、めちゃくちゃよくあるパターンだと思うんですよね。悪気はないんです。むしろ早く仕事を終わらせたい、品質を落としたくないっていう責任感からくるものだと思います。
でも結果だけ見ると、若い子は「見てただけ」で終わってしまって、次に同じ場面に出くわした時にまた同じミスをする。これを何度も繰り返してるうちに、本人も「どうせ任せてもらえないから」って手を出さなくなっていく。この悪循環、現場では本当によく起きてるんじゃないかなと思います。
「失敗してもいい場面」を選んでおく
全部任せるのは怖い、でも全部取り上げるのも育たない。じゃあどうするかっていうと、事前に「ここは失敗しても大丈夫」っていう場面を自分の中で決めておくのが、わりと現実的なやり方だと思うんです。例えば配管の仮留めとか、後から直せる工程とか。逆に通電確認とか、やり直しがきかない工程は自分がやる、みたいに線引きをしておく。
この線引きがあると、若い子に「ここは好きにやってみて」って言いやすくなりますし、自分も「まあここなら最悪直せるし」って心に余裕を持って見ていられます。失敗した時にどう直すかを一緒に確認する時間こそが、実は一番の教育になってるんじゃないかなと最近思うようになりました。
言葉にするのが一番面倒で、一番効く
職人の技術って、体で覚えたものが多いから、言葉で説明するのがすごく苦手な人が多いと思うんです。自分もそうでした。「なんかこう、感覚でやってるから」で終わらせがちなんですけど、それだと渡せる相手が限られてしまう。
最近意識してるのは、手を止めて「なんでこうするか」を一言添えることです。例えば「ここでこの角度にするのは、後で配管がぶつからないようにするため」みたいに、理由までセットで伝える。面倒くさいんですけど、一回言葉にしておくと、相手は次から自分で判断できるようになっていくんですよね。感覚だけ見せるより、理由付きで渡した方が結局早く独り立ちしてもらえる気がしています。
職人プライドというコミュニティでできること
職人PRIDE(プライド)に登録してもらってる皆さんの中にも、ベテランと若手が混ざって現場に入ることがあると思います。正直、会社が違う職人同士だと、なおさら「教える」って踏み込みにくい部分もあるかもしれません。でも同じ職人プライドのメンバーとして現場を回していく以上、多少のお節介は許してもらえるんじゃないかなと、個人的には思ってるんです。
技術を渡すのって、自分の手の内を減らすことじゃなくて、業界全体の底上げに繋がることだと僕は思っています。職人PRIDEというコミュニティ自体も、そういう「渡し合い」がちょっとずつ起きる場になれたらいいなと感じています。
教えるのが上手い下手は正直あると思いますが、まずは「失敗してもいい場面を選ぶ」「理由を言葉にする」の2つだけでも意識してみると、現場の空気が結構変わってくるんじゃないかなと思います。今日もそれぞれの現場で、無理せずお互いの技術、ちょっとずつ渡していきましょう。

