独立したての頃って、技術は現場で散々磨いてきたのに、「仕事を取る」ことに関してはまったくの素人だったりするんですよね。腕はあるのに、来月の予定表が真っ白だと、それだけで眠れなくなる。これ、独立経験のある職人なら誰でも一度は通る道だと思うんです。今日はそのあたりの不安と、どう動けば仕事が切れにくくなるかという話をしてみようと思います。
「紹介待ち」だけだと仕事が波になる理由
会社員時代は現場さえ行けば仕事が勝手に湧いてきたと思うんですけど、独立すると「次の仕事はどこから来るのか」を自分で設計しないといけなくなります。多くの人がまずやるのが、前の会社の人脈や知り合いからの紹介待ちなんですが、これだけに頼ると仕事の量がどうしても波になりがちです。紹介って、相手の都合やタイミングに完全に依存するので、こちらの生活リズムとは関係なく来たり来なかったりするんですよね。
波があるのが悪いわけじゃなくて、波しかないのが怖いんです。暇な月に「このままで大丈夫か」と不安になり、忙しい月は「断れないから無理して受ける」という悪循環に入りやすい。だから独立初期は、紹介ルート以外にもう一本、仕事の入口を持っておくことが大事だと思うんです。
「断る練習」も独立初期にやっておきたいこと
意外と話に出ないんですが、独立したての職人ほど「断る」のが苦手です。仕事が来ない不安があるから、条件が悪い仕事でも「次も呼んでもらえるように」と無理して受けてしまう。結果、採算の合わない仕事で体力を削られて、本来取れたはずの仕事を逃すという本末転倒が起きがちなんですよね。
これを防ぐには、独立したばかりでも「これは受ける」「これは今回は見送る」という自分なりの線引きを早めに作っておくことです。移動時間がかかりすぎる、単価が合わない、安全面に不安がある、こういった条件を最初に決めておくと、目の前の仕事に流されずに判断できるようになります。一人親方という働き方のコラムで受注の線引きの話を以前したんですが、これは独立初期ほど意識しておきたいポイントだったりします。
「協力業者」という仕組みが初期の安定に向いている理由
独立初期の不安定さを緩和する方法のひとつとして、協力業者として現場に入るという選択肢があります。直請けで全部自分で仕事を取りに行くスタイルは、営業力と実績が揃えば強いんですが、独立してすぐの段階では、お客様との信頼関係も実績も積み上げ中なので、正直ハードルが高いんですよね。
協力業者という形であれば、元請け側が仕事の入口を持ってくれている分、独立したての職人でも現場に入りやすくなります。もちろん良い面だけでなく、単価や条件面で直請けと違う部分もあるので、そこは自分の状況に合わせて考える必要がありますが、「仕事がゼロの月を作らない」という意味では、独立初期の安定装置として機能しやすい仕組みだと思います。職人PRIDE(プライド)のようなコミュニティも、こうした「仕事の入口を複数持つ」という発想から生まれているところがあります。
不安を抱えたまま一人で決めなくていい
独立初期の不安って、だいたい「情報が足りないこと」から来てると思うんです。協力業者ってどんな仕事なのか、面談で何を聞かれるのか、自分の技術や経験でやっていけるのか、こういう疑問を抱えたまま、誰にも相談せずに一人で判断を下そうとすると、どうしても不安ばかり大きくなってしまう。
職人プライドでは、こうした疑問を面談の場で直接確認できる機会を用意しています。登録するかどうかを決める前に、まず話を聞いてみるというくらいの気持ちで問い合わせてもらえたらと思っています。独立したばかりで仕事の入口に悩んでいる職人さんにとって、選択肢を一つ増やすきっかけになれば嬉しいです。
仕事が途切れる不安は、独立した職人なら誰もが抱えるものです。一人で抱え込まず、紹介以外のルートも含めて、自分に合った仕事の取り方を見つけていってほしいなと思います。

